まるで弾丸
前回はDanehillを取り上げたわけだが、ここ最近で導入されたDanehill系の種牡馬で注目されるのは、やはり社台の*スニッツェル(Snitzel)になる。
スニッツェルは2002年オーストラリア生まれ。15戦7勝の成績を残し2006年に種牡馬入りし、シャトルされた日本では2007年が初供用となる気鋭である。
特徴はなんと言っても”弾丸”だろう。
スニッツェルの父Redout's ChoiceはコーフィールドギニーやブルーダイヤモンドSなど1200M~1600MのGⅠを4勝し、種牡馬としても瞬く間に頂点に上り詰めたDanehill後継のエース。またBMSのTom Fool系SnippetsもAJCサイアーズプロデュース(1400M)などを勝ち、短距離馬を多く輩出している。
こうした血統背景から生まれたスニッツェルもまた、稀代のスプリント能力で活躍した。GⅠこそオークリープレート(1100M)の1勝にとどまったが、テイクオーバーターゲットらと互角に渡り合い短距離重賞を4勝。レース映像は観たことはないが、現地系のサイトでは「1100Mなら(テイクオーバーより)上」とか「ベストの距離は800M?」なんて記述もあり、とにかく馬鹿っ速い弾丸のような競走馬だったことは間違いない。
ところで日本でのDanehillといえばファインモーションらが代表格だが、活躍産駒の傾向としてスピード能力に優れ、古馬になっても力が衰えずに走るしぶとさがあった。一方で気性のせいか混戦での脆さが目立ったり、素質の一端を垣間見せながら大成せずに終わる馬も多かった印象がある。この父系、実は日本競馬独特の緩急(特に中距離以上)があまり得意じゃないのか・・そんな仮説で馬券検討をしていたのを思い出す。
そこから論を転じる乱暴を承知で言うと、日本におけるDanehill父系の場合、ヘタな中距離路線のビッグネームより、素直にDanehillのスピードを表現するタイプの方が種牡馬としては成功するのだろうと自分は考えている。速さの絶対値という分野に特化したスニッツェルは、社台というアドバンテージはもちろんあるにしても、相応の期待を寄せて良いのだと思う。
希望を言えば、どうせなら”らしい”産駒を見たい。アイビスSDをレコードで快勝するがスプリンターズSの最後の50Mでタレるようなスニッツェル仔を希望。
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