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バタフライが再び舞う日(後)

さて、わずかなトウショウフリートの初年度産駒に、母コーニストウショウの牝馬がいた。淀の桜花賞を圧勝したシスタートウショウの半妹にあたるこのジェーントウショウもまた、トウショウ牧場ならではの「仕掛け」配合である。

コーニストウショウは*ダンディルート産駒だから、そこに父トウショウフリートを配合して*ダンディルート2×3という強烈なインブリードを紡ぎだしたわけだ。

 

*ダンディルートは以前も触れたとおりフランス血脈として名を馳せるDjebelの近交を内包した種牡馬で、ビゼンニシキを筆頭に前述のルチェーやトウショウペガサスを出すなど中距離でのスピードを伝えて成功した。特定の種牡馬に偏重しないトウショウ牧場がここで強くクロスを生じさせたのも、ゆかりの深い*ダンディルートだからこその意図的な営為たることは、改めて言うまでもないのだろう。
(ダイタクヘリオス、ドクターデヴィアスとこの父系のエントリが続いたのは、決して藤正さんのような仕掛けではなく、好きなだけで偶然です)

ジェーントウショウは競走馬としては大成しなかったが、繁殖に上がってからサクラバクシンオーを相手に迎え、短距離で活躍したシーイズトウショウの母となった。シーイズトウショウの配合そのものによって近交は作られていないわけだから、<自身に強いインブリードを持つ母>に<アウトブリード配合>、という手筋の成功例と言えよう。

さらに、トウショウ的「仕掛け馬」の集大成とも云うべきなのが、現3歳のシンガートウショウ。父がトウショウフリート、母がシスタートウショウの仔シャララトウショウである。
ボトムラインが伝統のフロリースカップ→シラオキ系で、*ダンディールート3×4。そして*ソシアルバターフライ4+4×4ときているから、トウショウ味でお腹が一杯。このオーナーブリーダーのエッセンス、歴史、象徴・・それらを濃厚に凝縮した血統としか表現しようがない。

未出走のまま登録抹消され、どうしたのかと心配したたシンガートウショウ、早くも繁殖牝馬としてトウショウ牧場に戻っていることが公式HPで伝えられた。来春はこの牝馬に、どの種牡馬が配合されるのだろうか。

*ダンディルートは父系として存続が厳しい状況にあり、*ソシアルバターフライ系もかつての輝きが失せつつある。が、これらの仕掛けに込められたトウショウ牧場の「意思」がある限り、いつかまたこの牝系からトウショウの冠を載せた名馬が生まれ、華麗に舞う日が来るのだろう。シンガートウショウの血統表を眺めていると、そう思えてくる。

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