スピンで殻を突き破れ
京阪杯で4着に敗れた*ブラックバースピン。
またも善戦に留まり、今ひとつ物足りない感が増すばかりだが、自分が今後のスプリント戦線で最も期待している1頭なのである。
*ブラックバースピンの父Put it Backについては、マイナー父系好きながらバースピンの活躍まで寡聞にしてほとんど知らなかった。
Put it Backは3歳時に5戦5勝、ビッグタイトルはないがG2(リヴァリッジS)を勝っている。2002年に種牡馬入りし、In Summation(G1ビーイングクロスビーH AW6F)やブラックバースピンの他にも、ブラジルでNitido、Requebraらの重賞ウイナーを輩出している。
11月21日現在Thoroughbred Timesの全米サイアーランクでは68位、サードクロップランクで6位となっている。決して派手な成績ではないものの、フロリダ供用で種付料5000$という立ち位置を考えれば、健闘の部類に入るだろう。仕上がりも早く、短距離ならダートでも芝でも走れるお買い得サイアー、といったところだろうか。
なおバースピンは初年度産駒。兄にG1馬Southern Imageがいて、配合は5代にまったくクロスを持たないアウトブリードである。2004年9月のキーンランドセールにおいて23万ドルで購入されて海を渡ることになった。
Put it Backはマッチェム父系の中でRelaunchを経る分岐。傍流血脈ながらTiznowがBCクラシックを連覇するなどアメリカでしぶとく生き続けてきた逞しさ、ここ一番の勝負強さがある。日本に輸入された中からも活躍馬はそこそこ出ているのだが、トーヨーリファールがそうであったように、馬場や距離にある程度の融通が利くという長所が、同時に決め手不足というか、器用貧乏的な印象にもなっている。
先日なかなか強い競馬を見せた*アポロドルチェ(父Officer)ともども、*ブラックバースピンには殻を破り、インパクトのある勝ち方で存在感を示してもらいたいところ。
ちなみに”マルターズ””シベリアン”などの冠で知られる藤田オーナーは3戦未勝利のマルターズライオンを種牡馬入りさせて自身の所有する牝馬に付けているように、独自の生産姿勢をみせているホースマン。JRAのプロモCMにも出演した*ブラックバースピンもぜひ、種牡馬にしてください。
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