« ダノン君とミッキーさん | トップページ | SS 偉大なる旅路 »

あの西風を思い出す

すっかり周回遅れだがJRA賞の年度代表馬に関連して。
有馬はそれぞれの人気馬を支持していたファンにとっては何とも消化しにくい結果となったわけだが、結果としてドバイDFを含むG13勝のアドマイヤムーンというのはまあ順当ではある。

この話題で忘れられないのは、1993年の年度代表馬選考だ。

 

この年の牡馬クラシックは皐月賞=ナリタタイシン、ダービー=ウイニングチケット、菊花賞=ビワハヤヒデと、鎬を削ったライバルが栄誉を分け合うカタチとなった。牝馬は桜と樫の2冠を獲ったベガが秋シーズンは未勝利に終わりやや尻すぼみな印象を残した。

一方、古馬戦線も混沌としていた。春の天皇賞でメジロマックイーンの3連覇を阻止したライスシャワーはその後は調子を崩して未勝利。そのマックイーンは宝塚記念を制し、京都大賞典をコースレコードで快勝したものの故障引退。JCは上がり馬レガシーワールドが、有馬は1年ぶりのトウカイテイオーがそれぞれ勝利したが、両馬ともG1は1勝のみであった。

そんな中で唯一G1を2勝したのがヤマニンゼファー。ゼファーは前年に続いて安田記念を勝つと、秋は勇躍、天皇賞路線に挑戦。距離延長がマイナス材料とされ5番人気に留まったが、4コーナー2番手という積極的な競馬でセキテイリュウオー以下を抑え込み優勝、名マイラーの父ニホンピロウイナーが遂げられなかった2000M超えを果たしたのだった。

格付けと条件が同じならどのレースも同じ価値があり、代表馬選考には印象度などの主観性は極力排除すべきだろう・・そう考えていた私は、古馬G1(それも安田記念は国際競走)を2勝したぜファーが年度代表馬に選出されるのが当然と思っていた。ところが、蓋を開ければG1は3歳限定菊花賞のみ(他にG12着3回、G2とG3を各1勝)のビワハヤヒデが獲得したから、目を疑った。

クラシックがそんなに偉いのか?短距離というカテゴリーは結局価値が低いのか?正直、意味がわからなかったし、腹が立った。同じような違和感は投票者にもあったのだろう、投票はかなり票が割れた上で紛糾したと伝えられたし、専門誌にもファンから疑問を呈する投稿や寄稿が相次いだ。今ならネット上で大論争になったことと思う。
自分の中で「あんな馬」扱いとなったビワハヤヒデの馬券は、それ以降一度も買わなかった覚えがある(ごめんね、あなたは何の罪もないのにね)。

つまりは「年度代表馬とは何ぞや」という話なのである。

海外で大活躍する一方、国内未出走の*エルコンドルパサーが選出された1999年。逆に南部杯→天皇賞→香港Cと想定外のG1トリプルを達成した*アグネスデジタルが選ばれなかった2001年・・

カテゴリの細分が進んでG1は増え、レースの重み付けは時代によって変わり、国際化はますます進む。ニュータイプの活躍馬が出現するたびに、投票する記者や自分ら在野のファンも「何ぞや」の定義の沼に引き込まれるのだ。

15年経った今、ビワハヤヒデの年度代表場に意義を唱える気持ちはもうない。
客観的なデータだけで決めるなら投票の必要はないし、同じ格付けのレースが全て同じウェイトを持つわけでないこともわかっている。投票の結果は投票者の競馬観や競馬を取り巻く外的環境をも含めた<時代の空気、その反映の総体>である。自分はゼファーだが総体はハヤヒデだった、それ以上でも以下でもない。今はそう思っているから。

いっそ「あれは年度代表馬の定義を決めるための投票」である、とシニカルに考えてしまえば、それはそれで面白いのかもしれない。

話題を西風神ゼファーに戻すが、ゼファーの後継は厳しくなった。マイル血統として日本に根付いてもらいたい、という願いが叶いそうもないのは残念だ。

|

« ダノン君とミッキーさん | トップページ | SS 偉大なる旅路 »

馬*その他」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/223066/17717079

この記事へのトラックバック一覧です: あの西風を思い出す:

« ダノン君とミッキーさん | トップページ | SS 偉大なる旅路 »