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和カフェ飲み歩き ③高橋是清邸

商標登録や意匠特許の概念を近代日本に導入し、初代の特許庁長官ともなった高橋是清。その後、第20代内閣総理大臣に就任し、さらに8度にわたり大蔵大臣の任を勤めた財政のスペシャリストは、軍部と対立し2・26事件で命を絶つことになる。

2・26事件の舞台となった高橋是清邸は現在、小金井公園内の江戸東京たてもの園に復元され、茶屋として一般に公開されている。

 

正式名称は「高橋是清邸 茶房」。
あんみつやうどんといった食事メニューが中心の公園の休憩所、甘味処と表現したほうが適切なお店で、日本茶に焦点をあてた和カフェではないのだが、古い日本家屋の畳に座り、まったりとお茶ができるというユルさが結構気に入ったので、ここで紹介することにした。

私が訪れたのが寒さの厳しい平日ということもあり、邸内に先客はいない。客どころか店員さんもいない。赤い絨毯が敷かれた廊下の左右には、卓袱台(ちゃぶだい)と座布団が敷かれている和室が並んでいる。適当な部屋に入り窓際の席に腰掛けて内線電話で注文をすると、程なくお茶と御茶請けのお菓子が運ばれてきた。

静かな和室から外の庭を眺めると、風景が微妙に歪んで見える。かなり古いものをそのまま利用している窓ガラスのせいで、これがまた非常に懐かしさを惹起する道具立てになっている。

2・26事件の現場は2階だが、一般に公開されているのは1階のみ。それでもお茶で一息ついた後、栂(つが)が用いられている木造家屋をゆっくり見て廻れば、かしましい世の中から離れた心境。こういうのを明鏡止水と言うのだろうか。

たてもの園にはこの他にも、商家や農家、万世橋交番などの資料的価値のある建造物などが展示されていて、この分野に特に興味があるわけでもない自分でも楽しめた。ミュージアムショップも和テイストなアイテムが並んでいたから、お土産はこちらで。

アクセスはJR中央線・武蔵小金井駅か、西武新宿線・花小金井駅からバス。
開園時間などはこちらを参照ください。

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