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今年もドバイを狙うヴァーミリアンに他馬がどこまで、という構図のフェブラリーSだが、せっかくの晴れ舞台なので再度アンパサンドを。

かつて取り上げたときは母系にアプローチしたので、今回は父の*フィガロを中心にみていくことにしたい。

 

*フィガロは1995年アメリカ生まれ。競走馬としてサンシャイン牧場の伊達オーナーが輸入し、栗東の西橋厩舎に所属した。2歳10月京都の芝1200m、4~5番手追走から直線抜け出すと2着に1秒3差を付ける圧勝でデビューを飾る。続く京都3歳Sも距離延長を克服して連勝、朝日杯3歳Sに向かった。

しかしここは相手が悪かった。2歳にして早くも「怪物」と呼称された*グラスワンダーがひとまくりで圧勝し、そのインパクトで、3着に粘ったフィガロの悪くないレース振りもすっかり霞んでしまったというわけだ。
ちなみにこの世代は、クラシック路線にスペシャルウィーク、キングヘイロー、セイウンスカイら、短距離にマイネルラヴやアグネスワールドやエアジハード、外国産馬にはかの*エルコンドルパサーもいたというレベルの高さだった。

朝日杯の後はきさらぎ賞を目指した途上で骨折が判明、その後も屈腱炎を発症した*フィガロは結局この3戦で引退し、サンシャイン牧場で種牡馬入りすることになった。

さて血統面である。父のFuture Stormは2歳時にイタリアでクリテリウムディローマ(1200M・G3)を、3歳時はアメリカでウィルロジャースH(1600M・G3)を勝った程度。近親にも目立った活躍馬はおらず、結局はStorm Catの威がこの馬を種牡馬にしたといってもよいのだろう。
これまで12世代448頭が競走年齢を迎えている。Futural(マーヴィンリロイH・G3)やShadow Caster(フォアゴーH・G2)、プエルトリコの3歳チャンピオンClear Futureといったあたりが出ていて、Storm Cat系大物サイアーの代替、というあたりに存在意義を見出す種牡馬である。現在は種付け料$1500、アーカンソー州で供用されていて、昨年のアーカンソー限定リーディングサイアーで4位というツッコミにくい実績を残している。

母系に目を移すと、4代遡って活躍馬名が出てくる程度の牝系。Air Forbes One、Round Table、Tim Tamなどアメリカの名血が散見されるが、強い影響力を行使する類ではない分、父系のらしさが(良くも悪くも)ストレートに伝わっているという感じだろうか。

単なるスプリンターに留まらない力を示唆した*フィガロだが、一方で古馬になって馬脚を現した可能性もあるから、底を見せないまま引退したのもある意味では成功だったかもしれない。
種付け頭数は初年度(2002年)から17→11→10→9→14→18と推移。自家生産の数字もあるが徐々に評価も上がっているようで、今年もジャンプアップが期待できそう。

*フィガロ産駒はアンパサンドを除けばほぼ短距離専門で、やはり強調されるのはスピード。それも含めて考えれば、アンパにとって距離短縮はマイナスになるとは思えず、フェブラリーSの骨っぽい相手の中でどこまでやれるのかは楽しみなところだ。

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