和カフェ飲み歩き ⑥古桑庵
人気の雑貨店やレストランが点在し、今では「住みたい街ランク」などの常連にもなった目黒区の自由が丘も、東急グループによる開発前には竹林が広がる地域だった。その一端は駅から5分ほどの地に静鎮する熊野神社の境内にみることができるが、古桑庵は熊野神社の裏手、カトレア通りに面した日本家屋である。
古桑庵は大正期に建てたれた屋敷を改装して、ギャラリーを併設した茶寮として開業した店である。木作りの門や玄関の引き戸や縁側など、かつては当たり前だった日本家屋の風景なのだが、自由が丘という立地とのコントラストもあって、非常に新鮮に感じる。
庭を囲むように建つ建物の、縁側を通って明るい和室に案内される。畳、座布団、庭とくれば環境としてまず非の打ち所ない和カフェなのである。静かな窓際の特等席に座り、抹茶を頂きながらぼんやりすれば、街の喧騒とは離れた世界である。
メニューとしては和菓子付の抹茶、あんみつや白玉ぜんざいなどの甘味、コーヒーなどが揃っている。日本茶を選んで楽しめるわけではないが、十分に和めるだけの空気感がある。
様々なメディアで紹介されたこともあって、週末などは行列ができるようだ。ゆったりした時間を楽しむのであれば平日がよい。
古桑庵の名の由来を調べたところ、主に桑材を使って建てられたこの建物を定宿にしていた夏目漱石の長女婿・松岡譲氏さんが命名したものだとか。喫茶スペースの他にギャラリーと和室も貸し出している。
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