競馬主義を再び
何年かぶりに『パーフェクト種牡馬辞典(自由国民社)』の最新版を購入した。
かつては毎週の競馬ブックに毎月の優駿を基本として、さまざまな競馬雑誌やムックなどを買い集めていた時期もあったが、今は定期的に購読する馬本はほとんどなくなってしまった。生活が変化し一時のカルト的な熱中が醒めたこともあるが、ネットを中心としてデータベースへのアクセスがあまりに容易になったことも主因である。
血統にしろ海外の競馬にしろ、自分が競馬を始めたころは活字メディアがほとんど唯一の情報源といっても過言ではなかった。海外レースの映像なんて観る手段がなかったし、雑誌に載った海外馬の小さな3代血統表に密かに萌えたりした。
今はクリック一つで未勝利馬の血統でも近親でも知ることができ、数時間前の地球の裏側のレースが動画サイトで観られるようになった。隔世の感、とはこのことである。
そんなわけでブックさえ立ち読みで済ませるものぐさ競馬ファンに成り下がった現在であるが、最後に買った『パーフェクト種牡馬辞典』から4年経ち、サイアーの顔ぶれにも変化が出てきたことから、ひさしぶりに手に取った。
そもそもこの本は『競馬主義』という雑誌が元となっている。競馬主義はオグリキャップブームの渦中に相次いで刊行された競馬誌のひとつだが、馬産や血統などに軸足を置いたそのマニアックさ?が災いしたのだろう、数号で休刊状態となってしまい、スピンオフした種牡馬辞典だけが毎年刊行される状態が続いている。
ライトな競馬ファンからすれば難しく、血統フリークからすれば甘すぎる。
そんな立ち位置の『パーフェクト種牡馬辞典』だが、私は著者の独断と偏見というか、定性的な解説文が案外と好きなのである。
ところで、未だ「別冊競馬主義」と謳っているということは、本誌の復活はあるのですかね。そうしてもらいたいが。
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