爺ちゃんの夢は叶うのか?
「現時点で私の理想に最も近い馬」
「すごい馬です。朝日杯を楽勝したら欧州に運ぶつもりです」
これはマイネルエクソンの募集時に、マイネル軍団の”総帥”岡田繁幸氏が添えたコメントである。
キングハイセイコー産駒のマイネルエナジーを英ダービーに登録したり、インパーフェクトでも欧州を意識したコメントを出したり。今年も09年の英ダービーに4頭を登録したというニュースが流れていた。
自分はこのビッグマウスが決して嫌いではないし、発言を揶揄するつもりで引用したのではない。常に強い馬を生み出したい、見出したい。この情熱とメンタリティが、岡田氏を「伝説の人」たらしめているのだから。
その総帥が、日本ダービーにはまだ縁が無い。
岡田マイネル軍団はこれまで21頭が栄誉ある東京優駿のゲートに入っているが、最高が1986年のグランパズドリーム。原点であり最高であるグランパズの後は、05年マイネルレコルトの5着が最高で、今だ連対圏内に突入した馬もいないのだ。
今年はマイネルチャールズという有力馬を送り込んできた。母系は、異系色が強い4代母Bonne Nouvelleがヨーロッパからオセアニアに入り、Luskin Star→欧州に戻してMill Leef→再びオセアニアの大御所Zabeelと重ねられている。ここにアメリカの*ブライアンズタイムが配合され、ごちゃごちゃとしたインブリードのない血統構成。いずれも活躍馬である全姉マイネヌーヴェルと全兄マイネルアワグラスもそうであるように、BTの力強さやパワーが素直に表現されているようだ。
ちなみに1986年、グランパズドリームを抑えてダービー馬の称号を手にしたのはダイナガリバー。日本馬産界の巨星であり続ける社台ファームでさえ、牧場創設31年目にしてようやくつかんだ頂点である。レース後、かの吉田善哉氏が人目を憚らず涙を流したという逸話は有名だ。
チャールズが先頭でゴールを駆け抜けたら岡田氏は感涙に咽ぶのだろうか、変わらぬビッグマウスをかましてくれるのだろうか。いやいや、それより気になるのは、「マイネル」「マイネ」の冠を外すという公約が実行されるかどうかだろう。個人的に冠名は好きではないが、マイネルのない競馬なんて物足りない。スパイスの効いていないエスニック料理みたいなものだ。
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