サドラー院政
大物種牡馬の引退報が相次いで報じられた。
ヨーロッパに君臨した巨星Sadler's Wellsと、アメリカのスーパーサイアーStorm Catである。
両者は産駒に伝える特徴こそ違えど、日本において直仔がついにG1を獲れなかったという点は共通している。
Sadler's Wellsは、欧州のビッグレースを席捲しているわりに目立った後継種牡馬がでていない物足りなさもあったのだが、Galileo、Montjeuが主軸を担う活躍をみせている。
種牡馬の特徴を比喩的に表現するレトリックとして、野球の打順に例えていたことがある。例えば「Blushing Groom直仔の3番はシュアなMt. Livermore、当たれば大きいNashwanは5番」といった具合だ。
欧州なだけに、野球でなくサッカーになぞらえれば、エースストライカーのMontjeuと組むのが「海外組」El Pladoあたり。柔軟なプレーができるIn the Wingsがトップ下で、ユーティリティなFort WoodとBaratheaがサイド。オセアニアで安定した勝ち上がりを誇るScenicがボランチ、 スタミナとパワーのGalileoはセンターバックか。
DFに向きそうな欧州パワー組はBeat Hollowや*オールドヴィックなどなど人材豊富。
SS系シュートの嵐を耐える*オペラハウスはさしずめキーパーですかね。
控え組みには、未知の逸材High Chaparralもいて。
Danehillについて以前、あまりの順応性の高さゆえ一気に世界中にその血が広まり、かえって父系発展の限界が早くやってくるのではないか、という論旨の文を書いた。重厚さ(=高速競馬を苦手とする重さ)を特徴とするサドラーはある意味対照的で、産駒の活躍はヨーロッパに集中していたが、子サイアー孫サイアーの代になって多様性が現れつつあるのは興味深い。
ちなみに自分にとってのサドラー思い出の1頭は*ファンタジースズカ。距離延びた大舞台で・・とエリザベス女王杯で狙い撃ちしたが、上がり競馬で全く勝負にならず。よくも悪くもサドラーを思い知った馬だった。
| 固定リンク
「馬*海外」カテゴリの記事
- オセアニアで咲いた薔薇(2018.02.25)
- もう一つの里帰り(2017.12.31)
- 蝶が羽ばたく日(2016.10.04)
- ピエレットはそっと微笑んだ(4)(2016.04.08)
- ピエレットはそっと微笑んだ(3)(2016.04.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント