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雛罌粟オークス

あいにくの曇天となった第69回のオークス、勝ったのはトールポピー。
同じ雛罌粟(ひなげし)を意味する2頭(ポピー=英語・アマポーラ=スペイン語)が明暗を分けるという結果になった。

 

押し出されるような雰囲気で1番人気に推されたのが、リトルアマポーラ。桜花賞で5着に敗れたものの、その末脚は東京でこそ真価を発揮するという評価を得たということだった。私もアグネスタキオンにこの距離延長は明らかなマイナス材料と思いつつ、鎌田牧場の*コランディア牝系好き(重ねられた重厚な血がまた・・)としては軽視もできずに、対抗とした。
結果から言えば、大きな不利も無いレースで7着。去年のミンティエアーもそうだが、やはりこの舞台はもうワンパンチが足りない結果となるのがタキオンである。

桜花賞1・2着馬の追撃を退けて先頭でゴールを切ったトールポピーは、昨年のクラシックで有力馬の一角を占めたフサイチホウオーの全妹。消長の激しい牝馬にとって2歳チャンピオンが翌年のオークスを制するケースは少なく、90年以降ではメジロドーベル以来の快挙である(ウオッカは別格として)。また以前も書いたように角居師とキャロットファームは相性が良く、シーザリオ、ハットトリック、ディアデラノビアなどの活躍馬を輩出しているコンビである。

池添&ポピーの直線斜行は後からパトロールフィルムで再見しても結構きわどく、褒められた騎乗ではなかったが、
あの府中向きの荒々しい競馬はいかにもジャンポケというところ。

ああ皐月 仏蘭西の野は 火の色す
       君も雛罌粟(こくりこ) われも雛罌粟

咲き乱れる赤いひなげし(コクリコ)を情熱的な想いになぞらえた詩を詠んだのは与謝野晶子だが、まさにそんな情景を髣髴とさせるようなゴール前の叩きあいだった。

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