和に輪をかけて和
4日に行われた東京ダービーを勝ったのはドリームスカイ。後方から差し切ったレース振りや「スカイ」という馬名は日本ダービーとシンクロしたが、違うのはこちらが10番人気の伏兵だったことだ。
ドリームスカイの近親にはドージマムテキがいる。
ドージマムテキはスパルタ調教で知られた戸山厩舎からデビューし2連勝。その後低迷期もあったが、戸山師の逝去後に移った森厩舎でマイルCS(G1)3着、京王杯AH(G3)を勝つなどし、香港やヨーロッパにも遠征をして10歳まで現役を続けた個性派だった。
この馬は血統もまた個性的。父がOwen Tudor系のテュデナムキングに母がクレバーフェラ産駒のドージマビクトリーで、共にDjebelとRockefellaを持ついわゆる相似配合になっている。そして何より、タカクラヤマとラショウモンという、内国産の全兄弟クロスを持つという、非常に珍しい構成だ。
タカクラヤマは1947年生まれ(父セフト・母峰城)。天皇賞や鳴尾記念など19勝を挙げて種牡馬となった。
タカクラヤマの3歳年下の弟ラショウモンは菊花賞5着程度しか目立つ成績はなく、種牡馬にはなったがほとんど結果を残していない。
内国産サイアー受難の時代に種牡馬となった全兄弟、それを4×4で近交させている配合。さらにテュデナムキングの母にはさらに峰城≒クモハタというクロスもあったりするから、思いつきのベストトゥベスト配合とは全く趣を異にする。どこかドイツ馬的なフレーヴァーが漂うこの血統は、かつてマニアな掲示板などで話題となっていた。
さすがにG3を1勝しただけのドージマムテキは種牡馬にはなれなかったが、ここまでファッショナブルな血を含んでいない、そして内国産馬が折り込まれた活躍馬というのも、最近はほとんど目にすることはできない。ベルモントS馬の全弟だの英オークス馬の仔だのと世界的な良血馬が当たり前の昨今、逆に新鮮である。
ドリームスカイに話を戻すと、父*スウェプトオーヴァーボードは地方も含めて産駒の初重賞勝ち。社台が急逝した*エンドスイープの後継として導入したが、いまのところイマイチ君になっていて、「ひとり勝ち」という馬名のようにはいっていない。自分が持っているスウェプト産駒の一口も、3歳でまだ未出走・・
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