香港アローズ
圧倒的な強さで2冠を制したBig Brown、日本の新馬戦→米G2楽勝という離れ業をやってのけた*カジノドライヴ。3冠がかかる前者と兄弟3連覇を目指す後者、無敗の2頭が雌雄を決するというドラマチックな構図なのだから、ベルモントSが盛り上がらないわけがない。
アメリカの大一番は後日振り返るとして、イギリスではダービー、本邦では香港からの3頭を迎えての安田記念である。
*グッドババは昨年に続いての参戦。昨年暮れに香港マイルを勝った際に本格化を感じさせたが、その後G1を3連勝と完全に軌道に乗っている。前走チャンピオンズマイルの差し切りも鮮やかなこの路線のトップホースだから、ここでも本命の印がつく存在である。
そのチャンピオンズマイル→安田記念を連勝したのが2年前の*ブリッシュラック。さすがに当時の勢いはないが、マイルでは大崩しない安定感は相変わらず。
もう1頭の*アルマダは7歳だがまだキャリアは14戦、そのうち9勝で掲示板を外したのが1回のみ。一昨年の香港マイルで1番人気に推されたほどの期待馬で、前走は*グッドババに屈したものの長期休養を挟んで明け4戦目という臨戦過程は好い感じである。
*アルマダは父が*ラストタイクーン産駒のTowkayという馬。オーストラリアの短距離G3を勝ち、ニュージーランドに飼養される種牡馬だ。
あまり馴染みのない母父Red TempoはTudor Minstrelを経るHyperion父系で、自身はオーストラリアのフューチュリティS(G1)勝ち馬。母系は代々オセアニアに根付いている在来牝系であり、全体に異系色が強く、5代遡ってSacred Kingdomが近親に出てくる程度だ。*ジェネラスや*トリプティクと同牝系の*ブリッシュラック、また泣く子も黙るMiesque一族を近親に持つ*グッドババと比肩すれば、お世辞にも華やかとは言えない母系である。
*アルマダの勢いにも食指をそそられるが、日本では詰めが甘い*ラストタイクーン系、また初の遠征という点を割り引くとやはり*グッドババが最上位か。というのが現時点での見解。
毛利元就のいわゆる「三本の矢」の逸話は後年の創作だという説が有力だが、香港の3本の矢は、1本でも十分に手ごわい。日本馬が一長一短のメンバー構成だけに、香港勢の上位独占があってもおかしくはないだろう
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