地(の果て)までトリオンフ
今年のイタリアダービーを勝ったCima de Triompheを社台の吉田照哉氏が購入した、と一部マスコミが報じた。続報がないようなのでホンマかいなと思っていたが、パリ大賞に出走の勝負服が例の黄色と黒になっているから間違いない。
貪欲な社台のことだから、どこかのタイミングでMontjeuの直仔あたりを持ってくるだろうと思っていたところ、そっちではなくGalileoの方ときた。しかもイタリアというあたり、かつての*ダンシングブレーヴに対抗する*ホワイトマズルという構図を彷彿とさせるトレードである。
現代のイタリアは競走馬のレベルとしては英愛/仏/独から2段ほど下がった位置にあるが、本邦の馬産との相性は悪くはない。例えばこれまで伊ダービーの勝ち馬では上記の*ホワイトマズルのほか、*セダンや*ルイスデールがG1馬を輩出しているし、また同じく社台&イタリア調教馬の成功例と言うまでもなく*トニービンがそうだ。
平坦なトラックタイプの芝で行われるイタリア競馬は時計も比較的速く、ヨーロッパの中ではレース環境が日本に近い。種牡馬としては下手な英ダービー馬(失礼!)よりも信頼性は高いのだろう、コストパフォーマンスも含めて。
さてCima de Triomphe。インからジワジワと伸びてきたダービーは、派手というよりも味のあるレース振りだった。Galileoはどうもサドラー軍団の中でも「重い」イメージがあるのだが、この馬はよい意味でそれを裏切っている感を受ける。この父系ではあまりピンとこない芦毛というバイアスもあるのだろうが。
血統面では、母はレジナ・エレナ賞(G2)勝ち馬でBMSが*デインヒル、よってNorthern Dancer3×4を持つ。また祖母は父がグレソブ系*クリスタルパレスで母父がHornbeamというあたり、意識したか否か知らないが*トニービンを想起させる構図となっている。サンデー(系)を父に持つ繁殖に付けるには特に問題ないだろう。
種牡馬を前提として話が展開してしまった。まだまだ現役馬である。この文を書いている段階ではまだパリ大賞の結果はでていないし今後の路線も不明だが、もうひとつはハクをつけたいところだろう。
ちなみに輸入された場合の日本語表記が気になる。イタリア語ならチマデトリオンフ、というアナウンサー泣かせな馬名になりそうだが、先輩の*トニービンのようにもし凱旋門を勝てば、「凱旋門の頂点」という訳ですっかり収まりがよい。なんて上手くいくわけないけどね。
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