ブロッケンの光輪
JDDは中央のサクセスブロッケンが人気に応えて圧勝した。
白馬ユキチャンが取り消してしまったことで話題的にはトーンダウンした格好だが、現3歳世代のダート勢力争いを制圧したブロッケンのレース振りは、ダービーで付けたミソを取り返すに十二分な内容だったと言えよう。
父のシンボリクリスエスにとってはダンツキッスイに継ぐ重賞馬で、初G1ウイナーということになる。
ちょうどデビューから一周(1年)したので、ここまでの産駒の傾向をざっと振り返りたい。
JRAに登録された136頭の産駒は124頭がデビューしていて、うち54頭が勝利を挙げている。デビュー率は91%、勝利馬率は39.7%である。
同期で新種牡馬リーディングを争ったライバルの数字と比べてみると
ファルブラヴが82頭登録→64頭デビュー(78%)→20頭勝利(24%)
アグネスデジタルが119頭登録→87頭デビュー(73%)→30頭勝利(25%)
である。当初はじれったい産駒も多く「失敗」という声もあったが、非常に堅実な勝ち上がりを見せていて、馬主孝行なサイアーであると言える(自分の一口出資馬が勝ちあがっているし)。
その他では、
・人気に忠実な仔が多く、人気薄での激走は期待しない方がよい
・マイル以下の距離では成績が落ちる
・スローペースの上がり勝負よりは、M~Hペースが得意
・芝ダート兼用である。(全体の傾向として)
などの傾向がみられる。
これ以降は自分の予測であるが、イメージとしてはブライアンズタイム。今後はダート中距離が稼ぎどころになりそうで、芝だと1600や2400の基幹距離よりも1800や2200などで活躍する馬が多く出るのではないだろうか。
面白いというか皮肉なのは、当のシンボリ牧場から活躍馬が出ていないことか。牧場期待の牝馬を用意したとは思うが、3歳馬5頭のうちようやくシンボリローレンスが未勝利を勝っただけに終った1年目である。
さて、再びサクセスブロッケン。JDDは既述のようにクリスエスにG1をもたらしたが、同時にこれは堅実だが大物が出ていなかった*アワーミスレッグスの牝系、そしてまたモニターメーカーとして有名な「ナナオ」の社長であった高嶋哲オーナーにとっても初のG1戴冠であった。ヴァーミリアンが抜ければ群雄割拠といった状況の下半期ダート戦線に、幻想的なブロッケン現象が巻き起こせるか、注目である。
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