情熱の炎
少し前の話題になるが、大井の帝王賞(Jpn1)はフリオーソが制した。JRA勢が飛車角抜きの布陣だったいう点を考慮したとしても、自分でレースを作っての逃げ切り勝ちという内容は秀逸であった。
フリオーソは言うまでもなくダーレーグループの持ち駒である。
ダーレー・ジャパン・ファーム(DJF)の馬主登録がついに認可→DJFがアドマイヤムーンを電撃購入→高橋力氏がダーレー・ジャパン(DJ)とダーレー・ジャパン・レーシング(DJR)の要職を解任される→DJFがJRA馬主登録を抹消・・・・
とまあ、昨年は賑やかな話題を提供し続け、最終的にはJRAの馬主として一度築きかけた橋頭堡からの撤退という結果に終ったダーレーグループ。ただしその後も生産活動は継続していて、10日後に迫ってきた今年のセレクトセールにも多くの幼駒を上場する予定になっている。
さすがダーレー、ざっと見たところでも錚々たる顔ぶれが並んでいる。
例えば1歳馬では名繁殖Fall AspenやBalladeの牝系であったり、*ムーンバラッドの近親だったり、3代母があのMiesqueだったり。もちろん種牡馬陣も*アルカセットを始めとしてSingspielやRed Ransomなど実績ある名が並んでいる。
当歳馬に目を移すと、当然のようにBallade系、またSky Mesaの近親やCape Verdi(英1000ギニー)の孫などなど。ブラックタイプにそうした世界的名馬がフツーに出ているので、見ていてちょっと感覚が麻痺するくらいだ。
母*ファーザが産んだフリオーソの下は1歳と当歳の双方が上場される。1歳は父が*ブライアンズタイムの牝馬(フリオーソの全妹)、当歳は今年が初産駒の誕生となるディープインパクトの牡馬だ。ディープの場合は今回のセールだけで言ってもエリモエクセルやビワハイジ、レディパステルといったG1馬を筆頭に繁殖牝馬も一流揃いだから、*ファーザが特段目立つわけではないが、注目度の高い1頭には間違いないだろう。
フリオーソ(Frioso)という馬名は、非常に多くの国で使われてきた。デルマに登録のあるサラブレッドだけで18頭、イギリス・アルゼンチン・ニュージーランド・デンマーク・ハンガリー・ペルー・スウェーデン・ヴェネズエラ・スペイン・インド・・そして日本。1971年英国産の「フリオーソ」は英オークス2着馬である。
「激しく」「情熱的な」という音楽用語でもあるフリオーソ。ダーレーグループの日本再進出が文字通り激しいものになるのか否か今は知る由もないが、まずはセレクトセールの「情熱的な」セリ上がりをみることにしよう。
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