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物語はモノクローム

白毛馬のユキチャンと桜花賞馬レジネッタが出走した札幌のクイーンSは、ヤマニンメルベイユが逃げ切った。
名牝*ティファニーラスと*サンデーサイレンスというアメリカンなヤマニンアリーナに、父メジロマックイーンというベクトルの異なる配合が、しぶとさという味を引き出している。

 

メジロ牧場がフランスから輸入した*シェリルはオペラ賞を勝った一流の牝馬だったが、そこに受胎率が0%に近く種牡馬失格の烙印を押されていたメジロアサマを付けて産まれたのがメジロティターン。そして「ティターンの仔で天皇賞を獲れ」という遺言を残して逝去した北野豊吉オーナーの遺志に応えるかのように、メジロマックイーンは春の盾を連覇した。アサマ→ティターン→マックイーン父子3代天皇賞馬というある種のキセキを語るにあたって有名なエピソードである。

日曜日の新潟6R新馬戦に出走したメジロルマンは父がメジロマックイーン、ボトムライン4代母に*シェリルという配合になるから、原点となった*シェリルのクロスを内包する配合だ。
ルマンの3代母のメジロエニフはティターンの1つ下で、父がフィディオン。Sicambre≒Senonesの全兄弟3×3や、Barley Corn(*シェリルの祖母)3×4などなかなか戦略的な配合がなされている。そこにシンボリ&メジロが導入した*モガミ、SSの長距離砲ダンスインザダークと重ねて最後にマックイーンである。
こういうイズムの塊のような馬が天皇賞を勝つようなら物語としては非常に面白い展開になるわけで。初戦は1番人気4着に終ったが、末脚はそれなりのものを見せていたから、これからだろう。

閑話休題。流石に白毛馬はレースの中で目立つから、勝負服なんかを確認する必要がない。ユキチャンの母シラユキヒメは初年度*ブラックホーク、その後は*クロフネと配合されていているが、珍しく自分が所有した牝馬の仔にこだわりを見せる金子オーナーの「白」「黒」という馬名の遊び心なのだろうか。

ちなみにメジロルマンはこの父系のシンボルである芦毛ではなく、鹿毛。一方のユキチャンの2歳下の牝馬(父*クロフネ)は残念ながら白毛でなく芦毛である。

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