復活のB 逆襲のG
日本の競馬はすっかりローカルモード、自分など予想どころか月曜日に結果にざっと目を通してすませる日さえある体たらくである。
他方、欧米では注目のレースが続いており、アメリカではBig Brownが出走した。
今年最大のアップセット、と評されることになろうベルモントSの惨敗から約2ヶ月、2冠馬Big Brownはモンマスパークのハスケル招待H(G1)に姿を見せた。結局のところ前走の敗因が判らぬまま迎えた復帰戦であったが、手ごわい相手もいないことで、BBは1-5という圧倒的人気に推された。
レースはZito厩舎のCoal Play逃げてBBがそれを追うという展開。直線入り口ではデザーモの鼓舞に反してCoal Playとの差が広がり、これはベルモントの再現か・・という場面もありつつ、最後は外によれながら差し切って、4万5千の観衆の期待に応えたのだった。映像を観ただけだと冷や汗もののレースだが、逃げ馬は半マイル46.4秒、1200Mを70.8秒という猛烈なペースで行っていた。大駆けのCoal Playを力ずくで捻じ伏せた、というのが妥当な表現だろうか。
デザーモは「逃げようと思っていたけが、自滅的(なペース)だった。直線でも脚はあったし最後は交わせるとわかっていたよ」等と振り返り、「今まで自分が騎乗した馬の中で一番強い!」とBBを称えている。
陣営はBCクラシックをも目標とすると明言している。Curlinは凱旋門もよいが、BBと最強馬決定戦となれば、それは盛り上がることだろう。個人的にはこっちを希望。
一方フランスでは、*ディヴァインライト産駒のご存知Natagoraが、アスタルテ改めロートシルト賞(G1)に1番人気で出走した。ここは牝馬同士のマイル戦、同期の最強牝馬Zarkavaがいない中で相手は同じアガ・カーンのDarjinaという構図のレースと思われたが、勝ったのはGolidkova。1000ギニーが2着→ディアヌ賞が3着と善戦を続けていた牝馬の逆襲、鞍上はオリヴィエ・ペリエだった。
Golidkovaは3代母が牝馬にして凱旋門賞やカドラン賞を勝ったGold River。また祖母Riviere D'orはサンタラリ賞、叔母Gold Splashもマルセル・ブサック賞を勝つなど、いわば名牝製造工場のような母系である。
父Anabaaはフランスで毎年リーディング上位を賑わすDanzig系サイアーだ。日本ではまだ活躍馬がないが、スピードを基本として距離の融通性もあるから、面白いとは思うのだが。
前走に続いて3着に敗れたNatagoraは今後の路線が微妙に難しい気もする。どこへ向かうのか。
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