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メジロ・ポッターと青森の秘宝

日曜新潟の新馬戦は6番人気のメジロポッターが逃げ切り勝ちを収めた。サンシャイン好きのお目当て*キングロマネスク(桜花賞馬プリモディーネがアメリカで産んだMaria's Mon産駒)は残念な結果になったが、このメジロ馬もなかなかどうして、という血統背景の持ち主だ。

 

父メジロベイリーは2000年の朝日杯2歳を勝ってその年の最優秀2歳牡馬となった。相性のよくなかったメジロ牧場とサンデーの組み合わせで生まれた唯一の活躍馬といってよいベイリーだが、この馬も3歳以降は故障などもあってクラシック出走も叶わず、朝日杯が最後の勝ち鞍となっている。
垣間見せたその能力とメジロブライトの半弟という血統を買われて、引退後は青森県の諏訪牧場で種牡馬となった。メジロ牧場も北海道から牝馬を送って種付けをしていて、今年の2歳が初年度産駒にあたる。

母のメジロフランシスは未勝利馬だが、遡るとメジロ牧場史を彩る名馬が名を連ねる牝系である。そもそもは社台牧場の吉田善助氏(社台グループを築いた吉田善哉氏の父)が輸入した*デヴオーニアがわが国の祖となっていて、第七デヴォーニアを経由したメジロクインから多くのメジロの名馬が生まれている。
メジロクインは嵐となった初産で息絶え、その弔いに生まれた牝馬は菩薩(メジロボサツ)と名付けられた―という逸話は有名だが、ボサツの仔メジロナガサキからは重賞馬メジロゲッコウやメジロヘンリー、さらにボサツから数えて3代目には、4年連続でG1を勝利した名牝メジロドーベルが生まれている。
メジロナガサキの半妹メジロクインシーから広がる系統からは、メジロモントレーが出た。*モガミ×*フィディオン×*モンタヴァルという重厚でメジロ的な配合のモントレーは、牡馬を相手にAJCCやアルゼンチン共和国杯を豪快に差し切った。自分にとって「男勝りの牝馬」という表現は2000M超の古馬戦で牡馬に勝つイメージだが、それはこの馬がスタンダードになっているからだと思う。
メジロフランシスはこのモントレーの8番仔にあたる。

ベイリーは血統の字面上でいうとSS後継の中でも重そうだし、モントレー牝系も勝ち味に遅い傾向が顕著。ただポッターは時計の早い今の新潟で勝ったのだから、それなりの期待はしてもよいのだろう。

ベイリーが供用されている諏訪牧場はグリーングラスやタムロチェリーを送り出した東北の名門。もうひとつここがらみのプチネタを書いておくと、藤澤和雄厩舎に所属し先日引退した*ジークエンブレムも諏訪牧場にて種牡馬入りするそうだ。*ジークエンブレムは4戦して1勝という凡庸な成績だが、父Storm Catで半兄に米欧の最優秀2歳に選ばれたJohannesburg、叔父にTale of the Catを持つという良血だ。諏訪氏はこの血統に加え、馬体や5歳という若さにも惹かれたと述べているそうだが、果たして。

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