一握りの才能
新馬戦が始り3ヶ月の時点で30頭がデビューし勝ちあがりが4頭(JRA)。期待値がそれなりに高いため不振に映るネオユニヴァース産駒の滑り出しだが、これから秋開催を迎えて素質馬もデビューしてくるだろうから、まだ答えを出す段階ではなかろう。
ちょうど今日のUHF中継を観ていたら、山野浩一御大が、新種牡馬レビューでネオユニを取り上げていた。
山野センセは「母父のkris→Sharpen Upの影響もあり、器用というより力任せなレースをするタイプ。産駒は短距離と長距離、そして走る馬と走らない馬がはっきりと分かれるのではないか」という論旨だった。
確かにネオユニヴァースは、他のサンデー系サイアーとは趣を異とする血統構成だ。スペシャルウィークやダンスインザダーク、ディープインパクトなどBMSにNorthern Dancer系を持つ配合が多いが、これは必然的に名牝Almahmoudやその父Mahmoudのクロスが生まれ、それを軸にして(IK理論なら「このクロスが主導となり」と表現するのかな?)血統が組み上げられている感が強い。またイシノサンデーやゼンノロブロイなどNorthern DancerでなくNative Dancerを母系に持つケースでは、その奥にSir GallahadだったりBull Leaだったりというアメリカの血が下支えするパターンが見られる。
ネオユニはKris←Shantung←Pall Mall←Wordenと欧州系の重厚かつ現在では異系な血が重ねられた母から生まれており、いずれのパターンにも当てはまらない一風変わった配合になっている。
種牡馬として考えたとき、最初は主流血脈を含まないだけに「配合しやすいサイアーだな」と感じたが、よくよく血統表を見て”ネオユニの何を活かすか”と考えると、案外に難しいという見方もできる。だからかつて新種牡馬予想を書いたときも、あんな評価になった。
スピードに富む牝馬を持ってくるのがまあ現実的な手筋だし、逆に母*ポインテッドパスの重量感に手をつけて、BlenheimだとかRialtoを活かすという手もあろう。中庸を狙うと却ってスピードもスタミナも中途半端な結果になるような気がして、そういう意味では山野センセではないが「一握りの才能、多くの凡庸」というタイプのサイアーではないかというのが自分の今の見立て。
ちなみに*ポインテッドパス内のSharpen Upは自身にHyperion3×5を持つが、ネオユニ産駒の1歳でこのSharpen Upを4×4で持つ牝馬がいる。一発狙いで、今年の一口出資の隠し玉にしようかと思案中。
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