悲しくも美しきマグノリア
あのケンタッキーダービーの興奮の中、非業の死を遂げたEight Belles。
以前に八点鐘を求める署名についても書いたところだが、その他にも彼女を悼んでさまざまな動きが出ていたようだ。例えばオーナーのリック・ポーターとチャーチルダウンズ競馬場は、競走馬の故障や第二の馬生に向けたリハビリの研究を目的とする「エイトベルズ基金」に2万5千ドルずつ寄付するという。
また9月7日には
ケンタッキーダービー博物館に於いて、Eight Bellesの栄誉を称える式典が行わた。
この日の記念式典には、フロリダやニューヨークから遠路駆けつけた者を含め200人以上が参加。チャーチルダウンズ競馬場からは来年のダービー当日、Eight Bellesの名を冠したレースが行われることが発表され、また式典の最後にはEight Belles追悼プレートの除幕が行われている。
ラリー・ジョーンズ調教師は涙をこらえながら、かの名牝に弔辞を送った。
「あの脚の長く華奢な2歳牝馬を馬房に迎え、そして愛らしく勇敢な競走馬に育っていくのを見られたのですから、私は幸運でした。運命の日、Eight Bellesがとても落ち着いていたのが思い出されます。彼女は観衆が自分のためにここ(チャーチルダウンズ)にいて、15万人の視線を集めているのだと感じたのでしょう。私は、皆がEight Bellesに魅了されていたと思うのです。」
「私の心はEight Bellesに奪われました。そしてあの運命の事故の瞬間、私の心は無残に引き裂かれたのです・・しかし今こうして、彼女がチャーチルダウンズの有名な庭園に安住の地を得られたことを、とても嬉しく思います。」
またリック・ポーターも、Eight Bellesの事故が、獣医学や設備面におけるいくつかの進歩のきっかけとなったことを挙げ、「彼女の死は決して無意味なものではない」と述べている。
やすらかに眠れ、Eight Belles。
チャーチルダウンズに咲く鮮やかなマグノリアの下で。
| 固定リンク
「馬*海外」カテゴリの記事
- オセアニアで咲いた薔薇(2018.02.25)
- もう一つの里帰り(2017.12.31)
- 蝶が羽ばたく日(2016.10.04)
- ピエレットはそっと微笑んだ(4)(2016.04.08)
- ピエレットはそっと微笑んだ(3)(2016.04.05)
コメント