大統領閣下、発走の時間です
ソ連が解体した後、独立を求めるグループとそれを阻止しようとするロシアとの間で、激しい内戦が続いているチェチェン共和国。独立派はモスクワの劇場占拠事件などにも関与しているとされ、また2004年にはアフマド・カディロフ大統領が暗殺されるなど、未だ政情は不安定なままである。
現在の大統領は殺害されたアフマドの息子である、ラムザン・カディロフ。ラムザンは競走馬の馬主としても知られていて、
例えば今年のドバイシーマクラシックで8着となったMourilyanは、カディロフ氏の持ち馬だ。
今年のプリークネスSでBig Brownの4着となったRacecar Rhapsodyはレース後にカディロフ氏が購入したようで、8月に行わたロシアダービー(モスクワ競馬場・ダート2400m)に出走している。結果はプリークネスと同じ4着だった。
ちなみのそのロシアダービーを制したのはやはりアメリカ産馬のMonomakhという牡馬。父が*カジノドライヴと同じMineshaftで母父がDanzig。牝系は日本とも馴染みがあって、Monomakhの母の姉妹である*メイトリアークや*ウェバリングガールなどは本邦に繁殖として輸入されている。さらに遡ればSingspielやRahyらの名馬を輩出するBallade系と同門であるから、なかなかというところだ。
ロシアがらみではこんな話題もあったわけだが、このロシアの天皇賞(?)と言っていいのか悪いのか、ダート3200mで行われるG1農業大臣賞を05-07年と3連覇した名ステイヤーSatelitは、*ダノンブリッジの半兄である。
チェチェンは内政があれほどまで混乱しているというのに、国のトップである大統領が競馬に気を向ける余裕はあるのだろうか。国民感情としてそれは許されているのだろうか、余計なお世話だがちょっと心配だ。
日本の感覚とはちょっと違うというか、国民性の差なのかね。
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