みんなで買えば怖くない
現在自分が主力としている一口馬主クラブの1歳馬募集締め切りが近づいてきた。愛馬の活躍はもちろん嬉しいが、出資馬の選定にあれこれ迷うこの時間が、一口ライフの醍醐味でもあり、楽しみでもある。
さてそんな折りにつらつらネットをさまよっていたら、聞いたことの無いクラブを発見した。
あれ、新規参入ですか?とよく見てみれば、いわゆる一口馬主=競走馬ファンドのクラブではなく、「共有馬主」の方だった。共有馬主とは個人馬主や法人馬主が1頭の馬を共有するという所有形態で、当初は地方競馬で始まった制度。2001年からはJRAでも最大10名の共有が認められている。そういえば、オーナーが著名人ということで報じられた馬がいて、その馬主欄を見ると社台の吉田照哉氏(勝負服も黄色と黒)といったことがあるが、これも要は代表馬主を吉田氏とする共有馬、ということである。
一口の出資者はあくまでファンドの出資者で馬主ではないから制度的には並列できないが、持分の大きさだけで並べれば、
個人馬主>共有馬主>社台40口系一口クラブ>一口クラブ
となる。
競走馬を提供すると同時に、共有希望の馬主同士を結びつけるコーディネイトを行うこうしたクラブは、調べてみたらユナイテッドの他にもいくつかあるようだ。
ちなみにユナイテッドの役員にはエクセルマネジメント(エリモ)、服部牧場、谷川牧場、辻牧場といった名門牧場や、海外セリなどでよく名を見かけるエージェントのムラヤマブラッドストックが名を連ねているが、いずれも30代を中心とした気鋭の若手である。同世代で馬産の苦しさや希望を語り合う中から、こうしたアイデア・発想が惹起してきたことは想像に難くはない話だ。
ユナイテッドを構成する彼らの親世代は、今から20数年前に生産牧場系一口馬主クラブの草分けとなったヒダカ・ブリーダーズ・ユニオンを創設した層でもある。手法や手段は違えど、生産馬売却のチャネルを多様化するという試みは、今も昔も変わらぬ生産者の課題ということがよくわかる。
そのヒダカ・ブリーダーズ・ユニオンは一期生からあのサンドピアリス(エリ杯をダントツの最低人気で勝利、杉本アナがゴール前で狼狽)を出してその名を知らしめた。ユナイテッドの一期生は現在2歳、「マスター」という冠名を大々的に売り出すことが出来るだろうか。
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