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大穴バイアス、薔薇バイアス

<サイコロを転がし、2から5が出れば1万円を支払わなければならないというゲームがあります。1か6が出た場合にいくらもらえるのであればこのゲームに挑戦しますか?>

人間の心理というのは面白いもので、数字や確率に対して完全には客観評価できない仕組みが働いている。上記の例で言えば、相手とイーヴンな条件になるのは当然2万円なのだが、同種の実験によると多くの人がその2倍から3倍の金額を挙げるという。

1の損失と釣り合うのは2~3の利益。つまり<人間は同額の利益から得る満足よりも、損失から受ける苦痛をより多く感じる>わけで、これが行動経済学でいう「損失回避理論」である。

ではもうひとつ。
<確率5%で2万円が当たるクジAと、確率50%で2千円が当たるクジBがあります。1000円を払って参加しなければいけないとしたら、どちらを選びますか?>

期待値はいずれも100%なのだから机上の計算では均衡するはずなのに、実際にはAが選択される傾向がある。人間は<小さな確率を過大評価し、中高度な確率を過小評する>ためで、数字の期待値よりも心理的な期待値が上回る分岐点は、確率0.35だそうだ。(ノーベル経済学者カーマネン博士による「確率加重関数」)

馬券に当てはめて考えると、大穴オッズの方が過大評価されるのであれば、相対的に本命(に近い)方が回収率は勝るはず。これはアメリカで2名の経済学者がカリフォルニア州の競馬開催を分析した研究があって、見事に低いオッズの方が回収率が高く、高いオッズになるほど回収率が低下するという結果になっている。

さらに「損失回避理論」から<損をしたら取り返そうと勝負に出る>という行動に出やすいと仮定すれば、多くの人が安全策よりも勝負に出る最終レースの本命馬が、一番オイシイ馬券ということになる。

そこで2001年以降のJRA開催、最終レースを集計した結果が次のとおり。(数字は単勝オッズと単勝回収率)
1.0~1.9 77%
2.0~3.9 76%
4.0~5.9 81%
6.0~7.9 92%
8.0~9.9 78%
10~14.9 80%
15~19.9 77%
20~29.9 76%
30~49.9 76%
50~99.9 75%
100~   37%

さすがに100倍を越える大穴は割が合わないが、それ以外は微妙な数字で思ったほど「最終は本命馬を買え」という結果にはなってはいない。
スピードの絶対値がより試されるアメリカの方が穴が開きにくいということか、はたまた日本のファンの方が案外と冷静?ということか。まあ単純に数字を抜き出しただけなので、分析の仕方によっては違う見え方になるのかもしれない。統計に強い方がいたら補足なりをお願いしたいところだ。

ちなみにいくら勝算が小さくとも私がG1で薔薇一族の馬券を買い続けてしまうのは、
"Lasting regrets result from the things we fail to do, not those we do."
(人間は、行動した後悔より、行動しなかった後悔の方が深く残る)
というギロビッチ博士が見出した法則によるもので、決して馬券が下手だからではない。
と勝手に解釈しておこう。

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