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秋桜

この季節に郊外で車を走らせていると街道沿いに咲き並ぶピンクや白い花が目に入る。漢字で表記すれば「秋桜」、コスモスである。もともとはメキシコ原産というこの花は可憐さと裏腹に生命力が強く、痩せた土壌でも良く育ち、秋の風物詩として広く親しまれている。

コスモスという馬名で有名なのは皐月賞馬ダイナコスモスだが、今年はもう1頭話題となる馬がいる。

 

本日10月4日に公開となった映画「三本木農業高校、馬術部」。
かつて馬術競技界で名を馳せた牝馬コスモと女子馬術部員との交流を描いたこの作品は、実話を基にして製作されていて、「コスモ」ことタカラコスモスも実際するサラブレッドである。

タカラコスモスは1984年5月5日、静内の桜井秋雄氏によって生産された鹿毛馬。美浦の佐藤栄三厩舎に預託されたコスモスは420kg前後の小柄な牝馬で、2歳の9月にデビューしてからコンスタントに出走を重ねたが、17戦したが勝ち星を挙げることができずに引退となった。

日本獣医畜産大学に引き取られたコスモスはそこで馬術馬としての才能を見出され、1989年から全日本学生馬術大会に出場し、90年には優勝をするまでになった。ちなみに獣畜大学の馬術部で彼女の馴致に当たった山内英樹氏はJRA出身で、スターターや競馬学校の副校長の経歴を持つとのことだ。

その後眼疾を患って、93年に青森の三本木農業高校に引き取られる。件の映画はその高校において紡がれた物語ということになる。

タカラコスモスの父は第1回JCで大逃げをうった快速馬サクラシンゲキ、母は*タマナー産駒のレデースマート。ボトムラインを遡上すれば小岩井のビューチフルドリーマー系であるが、近親に目立った活躍馬が出ていない地味な母系で、コスモス自身はサラブレッドとしての繁殖経歴がなく、姉妹にも繁殖となった牝馬がいない。かろうじて従兄弟にあたるルミナールロッサ(父*プライマリーⅡ)が母として血を繋いでいる程度である。

競走馬時代の馬主はマイルチャンピオンシップ馬タカラスチールなどを所有していた村山義男氏。命名の流儀がどうであったか存じないが、生産者の「桜」「秋」から連想したのだろうか。

タカラコスモスは競走馬としては歴史に埋もれた”その他1頭”に過ぎない。しかしひとりの女子高校生の純粋な心と出会い、人々の記憶に残ることになった。

そう。コスモスの花言葉は「少女の純真」なのである。

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