白くて速くてエイシンで
彼の地では別格のSadller's WellsやStorm Catの直仔がイマイチ日本で結果を出せていないのとは対照的に、産駒が本邦の馬場とレース体系によくフィットし、「導入できれば面白いのになあ」と思ってしまうタイプのサイアーがいる。例えば*シンコウラブリイやフサイチコンコルドを出したCaerleon、アドマイヤコジーンや*ローブデコルテを送り出したCozzeneなどがそうだ。
そのCozzeneが先日、死亡したというニュースがあった。1980年生まれだから日本で言えばミスターシービーやニホンピロウイナーと同期になり、28歳となった今年も38頭の種付けを行っていたとのことだ。
BCマイルの勝ち馬であったCozzeneは種牡馬として、Alphabet Soup(BCクラシック)やMizzen Mast(マリブS)などダート路線のG1馬から、*スターオブコジーン(アーリントンミリオン)や*ティッカネン(BCターフ)などの芝の一流馬まで幅広い分野での成功馬を出している。
日本での活躍馬は先のAコジーンやローブの他に*エイシンバーリンやゴッドオブチャンスなどがいる。いずれも芝でのスピードや切れ味を武器にするタイプである。産駒は判りやすい面があり、好調時はクラスの壁も越える勢いで連勝したりするが不振に陥ると低迷が続くし、小器用な「好位置から抜け出し」よりも一気の逃げが勝ちパターン(逃げ馬の回収率を調べてみたら300%を越えていた)。
馬券的には非常に付き合いやすいヤツなのだった。
アベレージヒッターではなくホームランバッター的なサイアーではあるが、ハマッたときのスピードは魅力的なものがあったし、日本に馴染みというか実績のある*フォルティノ→Caroという父系譜で、典型的なナスキロのニックスにより構成された血統。軽快さやスピードを争点にする日本の競馬に実際あれだけ適性を見せただけに、この芦毛の名種牡馬が輸入されていたらSSのG1勝利数はいくつか減ったかもしれない。などと思ってしまうのである。
ちなみにCozzene産駒という単語で連想ゲームをすると、やはり思い浮かぶのは「エイシン」だ。バーモント、コジーン、バーリン、コンカード・・・・平井オーナーはよほどお気に入りだったのだろう。
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コメント
そういえば、いましたね、エイシンコンカード!
あれもコジーン産駒でしたか。
コジーン系の将来はどうなんでしょうね。
アドマイヤコジーンは、アストンマーチャンこそ出したものの、
早く牡馬の大物を出さないと先細り必至ですよね。
スターオブコジーンも安定感はありますが、超A級となると…。
最近ネイティヴハートが種牡馬入りしたそうですが、
やはり地方中心に使われていくことになるのでしょうか。
海外の後継種牡馬についてはよく知りませんが…。
※ブログ見ていただきありがとうございました!
投稿: マズルウィン | 2008年10月12日 (日) 22時01分
どもです。
そうですねえ、コジーン系の「乾いた速さ」みたいなものが上手く伝われば、日本では面白いとも思うんですが。
アメリカのAlphabet SoupやMizzen MastはG1馬を出しているので、そっちではまだ繋がりそうな感じはしますね。
投稿: りろんち | 2008年10月14日 (火) 22時45分