MとQの蜜月
現在、世界で最も種付け料が高い種牡馬群の1頭であるKingmamboは、今年もHenrythenavigatorという大物を輩出して存在感を見せ付けている。我国でも代表産駒*キングカメハメハが新種牡馬として良いスタートを切っているのは周知のとおりだ。
さて、Kingmamboの配合パターンで有名なのはエルコンが嚆矢となったサドラー牝馬との交配(Specialおよびサドラー≒Nureyevのクロスを創る手筋)だが、活躍馬の血統をつらつら眺めていると、それ以外にも母系に特徴的な血が目立つことに気付く。
一つはNever Bend系の血。*キングカメハメハやフランス2冠牝馬Divine Proportions、Light Shift(英オークス)やVirginia Waters(英1000ギニー)らはいずれも母系内にMill Reefを持っている。また既出のHenrythenavigatorやTawqeet(コーフィールドC)、代は下がるがエルコン産駒アロンダイトやキンカメ産駒フィフスペトルはRivermanを母系内に見ることができる。
もう一つはSeattle Slewだ。Lemon Drop KidやDubai DestinationやBobomanといったG1ホース、そして*エルコンドルパサーもまた母系にSeattle Slewの名がある。
Mill Reef/RivermanとSeattle slewの共通項ということで言えば、これらの名馬はNasrullahとPrincequilloのニックス(いわゆるナスキロ)成功例としても有名である。また前2頭は同時にPrincequillo×Count Fleet(面倒なのでキロカウント)のニックスも併せ持っていて、つまるところPrincequilloがキーワードになっているのだ。
Princequilloを持つ牝馬にKingmamboを配すればどうなるか。
マンボ王の血統の方をちょっとみてみればわかるが、4代母Neriadがまさにキロカウント配合になっているから、この組み合わせによってキロ王子のクロスが生まれる。Kingmamboが「ミスプロらしからぬ飛距離」を持ちえるのが多分に偉大なる母Miesqueが内包する力感あふれる血の力ゆえだとすれば、Neriadをフォーカスするこの配合が上記のような相性の良さを示すのも納得かなと。
そしてプリキロ牝馬の中でも、ナス×キロ×カウントのMill Reef/Rivermanあたりは血統的親和性も高く、効果も倍増なのかなあなどと思ってみた次第。
血統理論に詳しい方の教示・補足・訂正あればぜひ。
ちなみに今年キャロットで出資したサダムブルーアイズ07はフジキセキ×エルコン。フジキセキの3代母MillicentはMill Reefの半妹で、ナス×キロ×カウントという血統背景だから、上記に挙げたKingmambo産駒成功パターンのウラということになる。出資にあたってはそれを狙ってみた、などと言えたらちょっとはかっこいいが、ホントはこの稿を書きながらついさっき気付いたのだった。
| 固定リンク
« そろそろ、ぼた餅 | トップページ | 大馬鹿16年 »
「馬*血統」カテゴリの記事
- オセアニアで咲いた薔薇(2018.02.25)
- もう一つの里帰り(2017.12.31)
- 塗り重ねられたもの(2017.12.23)
- 山野浩一さんのこと(2017.07.22)
- 気まぐれな間欠泉(2017.02.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
りろんちさんもお人が悪い。(笑)
これほど調べておいでとは!
自分のブログでの返信は、まるでこちらからコピーしちゃったような内容になっちゃいました!
先にこちらを見ていたら、もう少し目新しいアプローチができたかな?
う~ん、まだまだ勉強不足の私です。(笑)
サダムブルーアイズ07の馬名は『グロッタアズーラ』だとか。
私の感覚だと、Pass a Glanceに遡る(私のこの牝系に対するイメージはパワータイプなんです)ので、もしかしたらダート馬かな?と思いますが、馬体的にはどんな感じなのでしょう。
ウチの馬のなかにも阪神や札幌デビュー予定の馬が数頭いるので、それぞれなんとか勝ち上がっていってほしいものです。
では!
投稿: kayhon | 2009年5月11日 (月) 21時07分
すみません
すでにkayhonさんも読んでいるだろうから、その上でご意見を聞きたいな、と思ったのです。
ホントに申し訳ありませんです・・
グロッタアズーラは今のところ順調に育成が進んでいるようで、早めのデビューができそうな雰囲気です。
投稿: りろんち | 2009年5月11日 (月) 23時03分