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大差あるいは落馬の光景

"Big Red"ことMan O'War(マンノウォー)はBloodhorse誌の「20世紀アメリカの100名馬」でも堂々1位に輝いた伝説的な競走馬だ。ベルモントSの20馬身差はまだしも、ローレンスリアライゼーションSの100馬身差勝ちに至っては、現実というよりその強さの象徴としか思えない数字である。

日本では現在、10馬身以上の差を「大差」と表現するが、先週末は4レースも「大差勝ち」のレースがあった。

 

日曜福島9R(500万・ダ1700)のシーアクロスは2.0秒差をつけての逃げ切り勝ち。「シー」の冠名が3代続く藤田宗平オーナーゆかりの母系で、父がBCスプリント馬*スクワートルスクワート。本当はSquirtle Squirtleのつもりが、馬名申請のFAXで最後の<le>が切れてこの名前になった、というのはどうでもよいトリビア。

東京土曜8R(500万・ダ2100)で1.7秒差勝ちがジャンバルジャン。叔父に*フサイチコンコルドやミラクルアドマイヤ、従兄弟にヴィクトリーやリンカーン、3代母がSun Princess(英オークス)という華々しい一族。昨年も未勝利と500万でぶっちぎるなど力がもともと違う感がある。

東京では翌日曜も最終でマチカネニホンバレが1.9秒差をつけた。ダートを苦にしない、というよりむしろダート適性も目立つシンボリクリスエス産駒で、近親に*マチカネキンノホシやAlyshebaが名を連ねる母系もパワフルさがウリだ。まだ底が見えない素質馬といえようか。

そして京都ではリーチザクラウンが2.1秒差勝ち。父スペシャルウィークも母クラウンピースも臼田オーナーの所有馬。祖母が米G1馬の*クラシッククラウン、4代母がニューヨーク牝馬3冠のChris Evert、近親にChief's Crownらが在る名門である。21世紀に入ってからJRAの平地競走で2着馬に2秒以上差をつけた馬32頭中、芝ではこのリーチザクラウンが唯一だから瞠目すべきだろう。

もちろん大差勝ちはそのクラスでの飛びぬけた力量の現われではあるが、能力差が大きい新馬や下級条件ではよくある光景とも言え、サクセスブロッケンやシルクプリマドンナのようにG1まで昇り詰める方がむしろ少数派である。
大差の4頭はどのような活躍をしてくれるのか、注目である。

冒頭のMan O'Warにちなんだ話でいうと、21戦して唯一敗れた馬の名がアップセット(番狂わせ)というのもちょっと出来すぎた話ではあるが、事実は小説より奇なり、というのもまた真理の一面を突いている言葉。桜花賞を出走取り消し、オークスが直前に骨折、秋華賞が19番目の除外、満を持したエリ杯で落馬。ポルトフィーノの不運の連鎖は、フィクションでも描けないようなシビアな筋書き。武豊にとっても、4時間半の時を挟んで天国(リーチザクラウン)と地獄を見た一日となった。

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