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躍進、そして覚醒

クラシック3冠が掛かったミホノブルボン、天皇賞3連覇を目指したメジロマックイーン。彼らを徹底マークする戦略で偉業達成を阻むなど、的場均騎手(現・調教師)の騎乗ぶりは「仕事人」などと呼称された玄人好みのものであった。天皇賞(秋)とJCを磐石の強さで制し引退の花道を有馬記念で飾らんとするスペシャルウイークの「トリプル」を阻止したのもまた、*グラスワンダーと仕事人・的場均である。

 

*グラスワンダーはその名のとおり驚異的な強さを発揮する一方で、故障の影響のためか不可解な敗戦を喫するなど波乱に満ちた競走生活を送り、ゆえにファンが非常に多い馬だった。

種牡馬となってからは初年度からオースミグラスワンを出すなど、まずまずの成績を残してきたが、この秋以降の躍進は目を見張るものがある。

スワンSをマイネルレーニアが逃げきり。
その翌週にはスクリーンヒーローがアルゼンチン共和国杯を差し切り、父の”忘れ物”を取り返す。同馬はその勢いのまま国際G1のJCまでをも制したのは周知の通りだ。
続いてサクラメガワンダーが鳴尾記念を完勝、そして先週はセイウンワンダーが父仔制覇となる朝日杯2歳S優勝というダメ押し。

Danzig的なスピードとRobertoの飛距離とがうまくコラボした感のあったグラワンらしい、守備範囲が広い活躍ぶりは見事である。セイウンワンダーは父が縁のなかったクラシック制覇の期待がかかる。

一方、スペシャルウイーク。こちら側からすれば、宝塚記念といい有馬記念といい、ここぞというときにタイトルを攫っていったグラワンは目の上のタンコブであったろう。

そんなグラワン産駒の活躍にスペシャルウイークも覚醒したようだ。スペシャルはオークス馬シーザリオやインティライミなどを2年目に出しているが、今年の2歳勢はそれ以来のヴィンテージイヤーになりそうな勢いである。

2歳女王のブエナビスタは母も*ビワハイジという良血。スペシャル産駒でNijinskyの3×4(マルゼンスキー≒Caerleonの2×3ともいえる)はありそうでなかった配合パターンだが、母父がNorthern Dancerで母系にHail to Reason、さらにTurn-toを持つという点でいうとシーザリオと同じである。

牡馬の大物と目されるリーチザクラウンもまた、Hail to Reasonのクロスを内包する。牡の活躍馬はこれまでオースミダイドウのような早熟型かインティライミやフローテーションのように「もう一歩」というタイプが多く、G1には届いていないだけに、今後への期待は大きい。将来グランプリでグラワン産駒を下せば、きっと父の溜飲も下がることだろう。

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