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速さを競いし者たち

'09新種牡馬外伝 - マイネルセレクト

「破壊力抜群のヤンキー・サイアー」とパーフェクト種牡辞典(自由国民社)で表現されるように、*フォーティナイナー産駒はスピード豊かであるが人気が信用できず、展開と気分次第で爆走するという特徴がある。そんな中でも最も信頼に足るのはダート短距離戦であり、その代表がマイネルセレクトであった。

セレクトは短距離を中心に使われて17戦10勝という成績を残した。中でもダート1200m以下となると、11戦8勝2着2回5着1回だから、ほぼ完璧といっていい安定感である。では視点をちょっと変えて、セレクトが取りこぼした3戦で勝った馬のその後をみてみよう。

最初の敗戦は3歳秋の1000万条件。*ジョリーズヘイロー産駒の勝ち馬ニチドウマジックはその後ダート1200路線で連勝を重ね、準オープンも1番人気に応えて快勝した。しかしオープン入りしてからは秒差負けを繰り返す不振に陥り、04年には宇都宮競馬に転出、宇都宮競馬が廃止となる05年3月まで同競馬場で走り続けた。さらにその後は高知競馬場へと流れてさらに14戦を走っている(06年5月に抹消)。

2戦目はG1初挑戦となった03年のJBCスプリント(大井・1190m)。これまたダート短距離で一時代を築いた*サウスヴィグラスと大接戦を演じ、ハナ差で競り負けた。*サウスヴィグラスはこれが引退レースであり、最後にG1の勲章を手に入れて、セレクトより一歩先に種牡馬入りした。JRAではまだ派手な活躍馬が出ていないが、地方では先日の船橋記念を制したスパロービートなど、父譲りのダートでスピードを活かす産駒が活躍中である。

そして唯一連対を外したのがドバイゴールデンシャヒーン。ここは予定の前哨戦(根岸S)をザ石で回避するなど順調さを欠いたのが残念だったが、それでも大負けしたわけではなく、万全ならもう少しやれたはずだ。このレースの勝ち馬はアメリカのOur New Recruit(父Alphabet Soup)。大レースの勝ち鞍はこれだけという一発屋的なところもあった同馬だが、現在はカリフォルニアで種牡馬となっていて、初産駒が07年生まれだからセレクトとサイアー同期になるようだ。

さて、マイネルセレクトは祖母にハギノトップレディ、近親にダイイチルビーやハギノカムイオー、近年ではエイムアットビップやサダムイダテンなどがいる。志摩直人が”華麗なる一族”と名付けた、輸入牝馬*マイリーを祖とする快速牝系の出身である。

華麗なるスピード牝系にアメリカンな速力の*フォーティナイナーというマイネルセレクト。どんな速さかを産駒に伝えるのか注目。自身が届かなかったドバイゴールデンシャヒーンや、父の母国アメリカのBCスプリントを目指す仔に期待したいところだ。

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