狂い咲きは終わったのか
'09新種牡馬外伝 - アドマイヤマックス
1972年に輸入された*ファンシミンを祖とする一族といえば、ダイナマイン(新潟記念)やダイナフェアリー(セントライト記念オールカマーなど)を筆頭に80年代からコンスタントに活躍馬を送り出し、社台ファームを代表とする牝系のひとつとして知られている。
またその顔ぶれも、名ジャンパーとして鳴らしたブロードマインド、*サンデーサイレンス初期を彩ったローゼンカバリー&サマーサスピション兄弟、渋いところではタヤスメドウ、他牧場でもイブキタモンヤグラ(父*キャロルハウス)やイブキラジョウモン(父*アウザール!)など、非常にバラエティ豊かであった。
しかし同時に平地G1には今一歩届かず、その脇役メイカーぶりがこの牝系のもう一つの特徴でもあり、それが*ファンシミン系の愛すべき点でもあった。
それは突然訪れた。
05年3月、高松宮記念。武豊を背に4番人気で出走したアドマイヤマックスは中団から直線一気に抜け出して快勝、混戦の短距離戦に断を下す。アドマイヤマックスは*ファンシミンから3代目、新潟3歳Sや七夕賞などを勝ったダイナシュートの仔でであった。
そしてラインクラフトが続く。マックスの全姉マストビーラヴドの仔であるラインクラフトは、高松宮記念の余韻残る翌4月に桜花賞を制すると、返す刀で府中のNHKマイルカップをも押し切る。あれだけG1に縁がなかった*ファンシミンから、3ヶ月連続のG1勝利という異変。
さらに、翌年にはソングオブウオンドが菊花賞を制してダメ押し、である。
30余年の助走を経た見事な爆発。そして彼らはその代償を負わねばならなかった。アドマイヤマックスは高松宮記念が最後の勝ち鞍となり、ソングオブウインドも次走の香港がラストラン。ラインクラフトはその後、非業の結末を迎えることとなる。
その後も*ファンシミン系はドリームシグナル、ホクトスルタンと重賞ホースは出すものの、G1には届いていない。季節はずれの狂い咲きは終わったとばかりに元の路線に戻ってしまうのか、それともこのまま大輪を咲かせ続けるのだろうか。
その答えは時の流れだけが知っている。
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コメント
ダイナフェアリーはセントライト記念勝っていませんよ。
投稿: おりた | 2009年1月21日 (水) 21時30分
ご指摘ありがとうございます。
オールカマーの間違いでした。
投稿: りろんち | 2009年1月22日 (木) 22時24分