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3億5千万の再出発

'09新種牡馬外伝 - トーセンダンス

毎年7月に行われるセレクトセールは周知の通り社台グループの生産馬を中心に良血馬が集まり、特に当歳は毎年高額の落札が話題となるセールであるが、そのトッププライスホースが「地雷」であることもまた通説になりつつある。

列挙してみると一目瞭然だが、

98年 アドマイヤセレクト (1億9950万円→18戦2勝)
99年 ピタゴラス (1億8900万円→1戦未勝利)
00年 カーム (3億3600万円→3戦未勝利/地方3勝/種牡馬)
01年 ロッタレース01 (1億9950万円→未登録)
02年 トーセンダンス (3億5175万円→1戦未勝利)
03年 フサイチジャンク (3億4650万円→皐月3着、以降は不振)
04年 ザサンデーフサイチ (5億1450万円→現役5戦2勝)
05年 ダノンマスターズ (2億2050万円→現役10戦1勝)
06年 トゥザヴィクトリー06 (6億3000万円→未登録)

とまあ、チャンピオン級どころか重賞馬すら出ていない体である。

エアダブリン、ダンスパートナー、ダンスインザダークと3年続けて重賞馬を産んだ*ダンシングキイは、90年代における最も優秀な繁殖牝馬の1頭であり、01年産のダンスインザムードは改めて母系のクオリティを証明することになった。一方でエアギャングスターやダンシングオンら大きな期待が寄せられたのものの看板どおりの成績を残すことのできなかった産駒もいる。

トーセンダンスは残念ながら後者に属することになった。1歳時に故障したというアクシデントの影響もあったのか、国枝厩舎に所属したトーセンダンスは3歳4月のデビュー戦で14頭立て12着に敗れ、これが生涯最初で最後のレースになったのだ。

その血統的なポテンシャルを背景として種牡馬入りしたであろうトーセンダンスだが、種付け頭数は初年度50頭から翌年57頭、昨年80頭と健闘している。全兄ダンスインザダークの10分の1程度という廉価な種付け料が誘因とはいえ、これだけダークの代替として需要があるんだなあ・・というのが正直な感想だ。

島川オーナー系の生産牧場エスティファームでも、トーセンダンスに力を入れて種付けしている。当歳時に付けられた3億5千万余の価値は競走馬としては地に落ちたが、まだ失地回復のチャンスは残されている。

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