薔薇と口髭
*サンデーサイレンスが母父Northern Dancer系との配合で多くの成功馬を出したことは周知の通りだが、ここ最近目立つのは、「母父が非ノーザンのサンデー種牡馬×母系にNorthern Dancer系」というNDが一つズレた組み合わせ。フジキセキのG1馬(カネヒキリ、ファイングレイン)も昨年のディープスカイもこのパターンだし、今年のクラシックにも注目馬がいる。
母が*バレークイーンというネオユニ産駒の良血馬アンライバルド・・・・・もそうなのだが、自分が注目しているのはヤマニンウイスカー(父マンハッタンカフェ・母*マダニナ)。500万で惜敗を続けた後、先週の小倉・あすなろ特別を見事に指し切って2勝目を挙げたところだ。
Sadler's Wellsを父に持つ*マダニナはヤマニンが輸入したアイルランド産の牝馬で、競走馬としても本邦で8戦3勝の成績を残している。引退繁殖入りしてからは06年のオークスで大逃げを打ってレースを先導したヤマニンファビュルなどコンスタントに産駒を送り出しているが、これといった大物には恵まれていなかった。
ここにサンデーの長距離砲マンカフェを配して生まれたのがヤマニンウイスカー。Northern Dancerを通じたAl mahmoudクロスという定番を踏まえながら、マンカフェのキーホースとなっている(と思っている)Hyperionもサドラー経由でしっかり押さえている。距離不安を感じないスケール感のある配合であり、その裏返しでズブさを見せるなどまだまだ課題は多いのだが、終いの差し脚は魅力的だ。
さて*マダニナの祖母Riverqueenは、フランスでサンクルー大賞やサンタラリ賞、プーリッシュなどを勝った名牝だが、日本においては*ローザネイを始めとする例の「薔薇一族」の祖と言った方が通りがよさそうだ(Riiverqueenは*ローザネイの祖母でもある)。
ここ最近は精細を欠く薔薇一族に替わって、というわけでもあるまいが、薔薇ファンとしてもヤマニン好きとしても、口ひげ男爵ウイスカーには期待が大きい。ダービーに駒を進めてきたら是非狙いたい1頭である。
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