不安定系砂型種牡馬
'09新種牡馬外伝 - トーシンブリザード
アグネスタキオン・ジャングルポケット・クロフネ・マンハッタンカフェ・・現在サイアーリーディング上位を争う彼らが覇を競った2001年のクラシックは近年まれに見るレベルの高さであったといってよいが、同年は地方競馬にも快進撃を続ける名馬が生まれた。南関東3冠を無敗で制したトーシンブリザードである。
トーシンブリザードは3冠の後もJDDを勝利。明け4歳で参戦したフェブラリーSでもアグネスデジタルの2着と大健闘し、一時代を築いたリーフェントブラフやウイングアロー、トゥザヴィクトリーらに先着したのだから、ダートにおいてはトップクラスの実力があった。
惜しむらくはフェブラリーの2走後となるかしわ記念を最後に勝ち星から遠ざかり、俯瞰してみれば竜頭蛇尾の競走成績に終わったことだった。強さの印象が鮮明な時期に種牡馬入りしていたら、もう少しチャンスも広がったのかなとは思うが、もちろんこれは結果論だ。
ブリザードの父*デュラブのもう1頭の代表産駒はフェブラリーSを勝ったシンコウウインディになり、この馬もダートでの強さと同時に、併走するライバルに噛み付きにいくといった気性の荒さが代名詞になっていた個性派だ。
*デュラブはかつて取り上げたこともある*アサティスと同じ父系(Northern Dancer系Topsider産駒)で、両種牡馬ともに極端にダートへと産駒成績が偏重したし、産駒のキャラとしてはムラ馬というか、強いときは強いが脆さがつきまとっていて、安定感や信頼感とは対極のサイアーだった。
こうしたメールラインのイメージが、種牡馬としての訴求力においてネガティヴな方向へと作用した感も否めない。
トーシンブリザードは既に種牡馬を引退したと伝えられている。華々しい活躍をみせる同期たちとはずいぶんと差がついてしまった。
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