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Some Day

'09新種牡馬外伝 - *アポインテッドデイ

冠名は日本の馬主が好んで用いる命名の手法である。普通はメジロやアドマイヤ、フサイチ、ダノン、ダイワなどある特定の言葉を所有馬名の頭に置くことが多く、またシチーのように語尾につけるもの、シンボリ&スイートのように性別で使い分けるものなどのバージョンもある。

故・藤田与志男氏は複数の冠名を使うユニークなオーナーだった。

<マルターズ~>
 →*マルターズスパーブ、*マルターズヒートら
<モダンガール~>
 →*モダンガールリボンら
<~ソング>
 →サンターナズソングら
<シベリアン~>
 →*シベリアンホーク、*シベリアンメドウら

この他にも*ブラックバースピン、*ゴスホークケンなど、冠らしい冠を用いない活躍馬もいる。

自分は冠名否定派ではないが、馬名フェチでもあるので、あまりに安易な<冠名+父の名の一部>的な命名ばかりだと残念に思う。そういう意味で「冠名派馬主」の中では異彩を放っていた藤田オーナーのセンスは好きだった。

そしてもうひとつ好きだったのは、特筆すべき成績を残したわけではない所有馬でも種牡馬入りさせることがある点だ。重賞戦線で活躍した*シベリアンホークは昨年から*スピニングワールドの後継?としてスタッドイン。またDeputy Minister産駒の*マルターズライオンは、タイトルどころか未勝利戦でボロ負けのキャリアなのに種牡馬の道を残し、主に自己所有馬ではあるが46頭の産駒を残している。

付記しておくと、その他の所有馬もほとんど引退後の引き取り先を確保していたという藤田氏。マルターズやシベリアンは大好きな犬からの拝命ということだし、動物に対する愛情を馬主としての礎とするオーナーに所有された馬たちは、月並みな表現だが、幸せである。

*アポインテッドデイも藤田氏が所有し種牡馬入りした馬。勝ち星は新馬の1勝だけだが、2歳時は京王杯2歳Sで2着、朝日杯でも3着と、能力の片鱗を見せたRed Ransom産駒であった。

藤田氏は電気機械輸入など行う(株)ダーハムを経営されていた。社名の本当の語源は存じないが、ダーハムはドバイの通貨名でもあるから、いつか藤田血統馬がナド・アルシバで活躍すれば藤田氏も草葉の陰で喜び、叫ぶだろうか。「約束の日が来た!」と。

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09新種牡馬外伝」カテゴリの記事

コメント

もう10年くらい前になるでしょうか。

米国のセリに参加していたとき、たまたまある人を通じて故・藤田さんを紹介して頂いたことを思い出します。

そのときの藤田さんはとにかく馬選びに夢中だったようで、ほとんど儀礼的な挨拶だけで終わってしまいました。そのくらい馬が好きな方だったと思います。

ところでこの記事の『アポインテッドデイ』のところをクリックしたら、これまた洗練された面白いブログに出会いました。(って今頃気づいたんですけど…)

これもりろんちさんが書いているブログなんですか?

牝系や父系のライン表が随分詳しくてビックリしました。
さらにそのデビュー前の種牡馬の産駒についても言及されている。とても面白いブログです。

今度からはここを経由して、そちらのブログも楽しもうと思っています。(笑)

投稿: kayhon | 2009年3月15日 (日) 21時20分

kayhonさん、いらっしゃいませ。

リンク先はorganaさんという方のブログで、父系に特化した非常に詳しくユニークな内容です。私もよくお邪魔しています。

私の拙文「09種牡馬外伝」は、そのorganaさんが連載している「新種牡馬辞典09」とコラボさせて頂いている企画です。

投稿: りろんち | 2009年3月15日 (日) 23時56分

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