地味な田舎者
'09新種牡馬外伝 - シャンハイジゴロ
同じナポリ沖合いの島々の中でも、青の洞窟で有名なカプリ島やアラゴンの城で知られるイスキア島と比べ、地味なプロシダ島がその名の由来だったからかだろうか。*シャンハイの父であるProcidaはハリウッドダービーやフォレ賞を勝っているG1馬だが、ミスプロ系の中では「その他大勢」に区分されるくらいの脇役な種牡馬となった。
Procidaの代表産駒である*シャンハイにしても、仏2000ギニーを勝ち、種牡馬入りした日本で数多の地方重賞馬を出しているから、決して失敗サイアーというわけではない。とはいえ重賞馬の母、半兄の*ヘクタープロテクターや半妹のBosra Sham(英1000ギニー/英チャンピオンS/フィリーズ・マイル/英年度代表馬)など近親の華やかさの中では地味なキャラという立ち位置になってしまったのは*シャンハイのかわいそうなところでもあった。
未出走馬のシャンハイジゴロが種牡馬として抜擢された経緯は正直わからないが、地味ながら地方ダートでの安定感は、われわれのような市井のファンよりも生産者の間での方が評価が高かったのかもしれない。
ちなみにジゴロは俗にいうところの「ヒモ」を意味するフランス語として通っているが、薩摩弁でも田舎モノという意味の地五郎という言葉があるという。馬名の意味としては「父名+愛人」とあるから前者ではあるのだが、上海地五郎と書いてみると何か親しみが増すような気がする。
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