Casablanca
かつてカフェアメリカンという馬がいた。
カフェといっても西川カフェ軍団ではなくエルコンの渡邊隆氏がオーナーだ。
父マンハッタンカフェからの命名なのだろうが、サッカー関連や曲名などの馬名が多く、あまり父母の名のを拝借しない渡邊オーナーにしては安易なネーミングだなと思っていた。
そんな数年前の馬を、先日思い出す機会があった。
本屋でふと手に取った競馬雑誌に載っていた渡邊氏のインタビュー。ナイスベンゲルの種付け状況だったり好きな牝系についてだったり、マニアックながら興味深い内容のその記事の中でも、目を引いた話があった。
今年期待している2歳馬の1頭として、父*フレンチデピュティ×母*マドモアゼルランドの牡馬が挙げられているのだが、なぜ配合にフレンチを選択したのかという問いに対しての渡邊氏の答えがなかなかだ。
いわく*マドモアゼルランドのランドは、映画「カサブランカ」のヒロインの名(Ilsa Lund)である。カサブランカはフランス領モロッコを舞台にした名作だから、フランスにちなんだ種牡馬を付けたのだ、と。
血統にも造詣の深いオーナーだけに、本当にこの理由だけだったはずはなかろうが、こういうストーリーが存在してしまうだけで、馬名フェチの自分などはツボってしまうわけだ。その牡駒にどんな名が付くのか今から楽しみである。
そして気付いたのは、半姉カフェアメリカン。
母が*マドモアゼルランド→カサブランカ→ハンフリー・ボガート演じる主人公のリックが切り盛りする酒場の名前こそが、ほかでもないカフェアメリカンなのだった。
知っていた人にとってはアレだが、話がつながった瞬間、あっそういうことなんだ!と。好きだなー渡邊オーナーのセンス。
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コメント
西川オーナーも、カフェフローリアン@ヴェネツィアやニューヨークカフェ@ブダペストなど、歴史のある名カフェから名前を付けていたりいなかったり。
投稿: 半袖播戸 | 2009年6月 5日 (金) 11時10分