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まさに「母なる海」

その瞬間、雑踏の中で背伸びしていた私は思わず「えっ」と声をあげた。北米最強のターフホースとして来日し1番人気に推されていた*コタシャーン、その鞍上は残り100Mのポールをゴール板と間違え、腰を上げて追うのを止めたのだ。有名なデザーモ騎手のジャパンカップ・ゴール板誤認事件である。

物議を醸した先頭争いから0.8秒遅れでフランスからやってきたMiswaki産駒が入線した。人気薄で勝った凱旋門賞はやはりフロックだったのだろう・・小柄な牝馬*アーバンシーにそんな結論じみた一瞥をくれる向きはいても、後に繁殖牝馬として収める歴史的な成功を想像した者はいなかったはずだ。

Sea The Starsがイギリスの2冠を達成した。

*アーバンシーはこれまでGalileo、Black Sam Bellamy、My TyphoonというG1馬に加え、Urban OceanやAll Too Beautifulなどの重賞馬やG1クラスを次々と送り出してきた。

なによりも凄いのはサドラーとの配合でばかりではなく、Beringや*ラムタラ、Giants Causewayといった全く違うタイプのサイアーを相手にしながら、A級馬を連発しているところにある。

Sea The Starsの父Cape Crossにしてもそれほど派手な種牡馬というキャラではない。*ウイジャボードを例外にすれば自身と同じマイル向きの中堅というところで、それでいてダブルを達成するのだから、恐るべきは*アーバンシーということになろう。

あの年のJCに出走していた中では、*コタシャーンの他に*ミシルや*スターオブコジーンらが後年日本に導入された(あるいは顔見せで出走していた)。最も成功しているのは既に社台カラーで走っていた*ホワイトマズルだが、もしも*アーバンシーが繁殖として日本に入っていたらどうなったろう。

タラレバの話をしても仕方がないが、あのレースにおける一番の「誤認」はデザーモ騎手のゴール板ではなく、あの名牝の可能性を見抜けなかったことなのかもしれない、などと思ったりする。

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