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感性のアンテナ

『全体を判断する目とは、大局観である。一つの場面で、今はどういう状況で、これから先どうしたらいいのか、そういう状況判断ができる力だ。本質を見抜く力といってもいい』(羽生善治「決断力」より)

羽生善治名人が2勝3敗からの逆転で名人位を守った。自分は初心者に毛が生えた程度の将棋の知識しかないが、羽生名人は以前から注目していたし、その言動を興味深く受け止めてきた。

自分の兄は頭が悪いから(将棋界でなく)東大に行った、というのは某棋士の言葉であるが、プロ棋士ともなれば確かに「天才」という言葉が陳腐な表現になるほどの才能が集う魔窟である。

そんな中で10代にしてトップに上り詰め、今もなお最前線を走り続けるのだから、羽生名人の棋力というものは、恐ろしく深いものなのだろう。

冒頭に引いた文章は、彼の言葉の中でも気に入っているものの一つ。記憶力、スピード、集中力・・そうしたものは若いうちの方が優れている。残念ながらこの方面の能力は齢を重ねるとともに落ちていくが、一方で経験に裏打ちされた大局観という武器を身に着けることができるということだ。

羽生名人は、大局観の基となるのが直観力であり、直観力を醸成するのは感性である、と続ける。

大局観の意味、感性の大切さ。当たり前だがこれは将棋の世界に限らず言える事で、羽生名人と同年代の自分もアウトプットの瞬発性ばかりで勝負する歳じゃないんだよなあと。あまりにルーチンでコンサバティヴで感性をさび付かせている日々をちょっと反省し、アンテナをちゃんと立ててみよう・・そう思わされた、名人位防衛だった。

ちなみに「決断力」で他に印象的だったセンテンスとしては、

『読んでいれば、相手の刀がかすめても怖くない』
『知識を知恵に昇華させる』
『(プロとは)力を瞬間的にでなく持続できること』

などがある。彼が色紙によく書くという『玲瓏』(=八面玲瓏・周囲をみわたせる状況)という言葉も好きだ。

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