*ワイルドラッシュと姉妹
不動産バブルやITバブルなどすっかり日本語としてもお馴染みとなった感がある「バブル」だが、"Bubble Economy"とは、投機の応酬等によって実体以上に資産の価格が急騰した状態を意味する。
当歳馬に1億円超えが続出したセレクトセールの活況もある意味でバブル的ではあり、軒並み数字が落ちた今年のセール成績も、正常値に近づいたという見方をすれば健康的な結果ではあったのだろう。
さて、新馬戦も徐々に距離のバリエーションが増える時期となり、日曜日は3場揃って1800M戦が組まれていた。
小倉で勝ったロードヴィオレット。どこかでこの母系を見たことがあるなと思ったら、母*アンビナウンが先日取り上げたばかりの種牡馬*ワイルドラッシュの全妹だった。*アンビナウン自身は未出走であるが、兄だけでなく母Rose ParkもアメリカでG1(シリーンS)を勝っているなど、活力のある一族と言えるだろう。スペとの邂逅により芝でどこまでやれるか楽しみである。
ところで*ワイルドラッシュがアメリカで活躍したのは1997年~98年だったが、それに先駆けて同馬の全姉もまた日本に輸入されていた事実は余り知られてはいない。ラッシュの1つ上にあたる*エイシンホールトンである。
ホールトンはエイシン軍団の一員として96年2月にデビューし、阪神競馬場の折り返しの新馬戦を勝ちあがっている。ダート1800ということろがいかにもこの一族らしい。その後出走を重ねるも勝ち鞍を挙げることはできず、98年暮れのレースを最後に引退した。17戦1勝というキャリアである。
賢弟の活躍により引き合いがあったのかもしれない。ホールトンは日本には残らず、翌99年1月にアメリカに輸出されて当地で繁殖入りした。
これまで2000年生まれのDixie Wild Again(父Dixie Land Band)を筆頭に6頭の産駒が生まれているが、今のところステークス勝ち馬は出ていないようだ。
ちなみにロードヴィオレットと同じ07年産駒は、父Kingmanboの牝馬Dutch Tulip。
オランダのチューリップといえば、その球根の現物のみならず購入権利が売買されて先物取引の原型ともなったことで有名で、また投機目的で値が高騰したあげく最後は値が急落し、世界初のバブル経済とも言われている。まあ*ワイルドラッシュは幻想系よりも地味強い系だから、バブリーな心配はないだろうが。
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