「これからお出かけですか？」

髪を切りにいくと美容師さんや理容師さんからこんな感じで話しかけられることが多い。その日の予定だとか天気だとか当たり障りのない話題まではよいのだが、それ以上突っ込んだ会話を続けるのがどうも苦手だ。

自分からあれこれ話題を振ることはできない性格だし、かといって全く黙っているのも失礼じゃないかとか、これも営業トークなのかなとか、ヘンな客と思われるのもイヤだしとか・・あれこれ考えているとそれで気疲れしてしまって、眠い振りして目を瞑るというワザ？に逃げてしまうのである。

他の客はどうなのかと耳を澄ませてみると、仕事の話だったりドラマの感想だったり趣味の話題だったり、色々と話が弾んでいる。

もともと人見知りなのは確かだが、それでも仕事上では初対面でもペラペラ口が回ることを考えると、ああ自分も「立場」だとか「役職」みたいなものに依存しているんだと気付かされる。周りに訊いてみると、やはりというか男性にはこういうタイプが多いようだ。

そろそろ散髪に行こうかと思っているので、今度はちょっと素の自分で会話をしてみようかと思う。