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ドバイの険易遠近

道・天・地・将・法―

今なお兵法書の古典として有名な「孫子」において、戦いにおける指標として挙げられている5要素である。このうち天と地とはすなわち気象条件や地形といった自然環境であり、これを競馬の海外遠征に当てはめれば、彼国の気候や、競馬場のコース形態・馬場の特性ということになろう。

ドバイのメイダン競馬場が去る28日にこけら落としを迎えた。ドバイ・ワールドカップはこれまでのナド・アルシバに替わり、今年からこのメイダンで開催されることになる。

ざっとそのコースを復習してみる。
一周が2400Mの芝コースは幅30M、直線450M。その内側に設えられたオールウェザー(AW)コースは一周1750M、幅25Mで直線は400M。いずれも左廻りで、イメージとしては府中よりコーナー部分がややゆったりし、直線が若干短い感じだろうか。

AWの素材はタペタ・フィッティングス社のタペタ。砂にゴム片や人工繊維を混入したものらしく、これがメイダンは180mmの厚さで敷設されている。

開催初日にはドバイWCの前哨戦ともなるAl Maktoum Challenge R1(AW1600M)も行われ、ブラジル出身で昨年のシンガポール国際の勝ち馬であるGloria de Campeaoが勝利した。勝ちタイム1分38秒48。

AWは思ったより時計が掛かっている気もするが、数レースの映像を観た限りゴマカシの利かない馬場&コースという印象だ。

レースを終えた関係者はどう受け止めたか。「勝つには良い枠を引くことが必要になってくるかも」(ラドキン調教師)という意見もあるが、騎乗したジョッキーからは概ね好意的に受け止められたようだ。リチャード・ヒルズやテッド・ダーカンは先行馬にも差し馬にもチャンスがあると述べ、非常にフェアな馬場だとコメントしている。2勝を挙げたスミヨン騎手も「とても感動したね。この馬場はとてもいいよ」と好印象を語っている。

今年はウオッカを始め、ブエナビスタやレッドディザイアが遠征を予定している。初めての戦場(競馬場)で行われる戦いだけに、「天と地」をどれだけ知るのかも非常に重要だ。

敵を料りて勝を制し、険易遠近を計るは、上将の道なり。此を知りて戦いをを用う者は必ず勝ち、此を知らずして戦いを用う者は必ず敗る。(「孫子」より)

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