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People's Horse

’10新種牡馬プチ外伝 リンカーン

人民の、人民による、人民のための政治―

第16代合衆国大統領エイブラハム・リンカーンのいわば代名詞として、今もなお語り継がれている有名な言葉だ。南北戦争の激戦地であるゲティスバーグ、その戦没者墓地奉献式における大統領演説の終説において、people=人民の結集を呼びかけた一節である。

ヘンに捏ね繰り廻さずストレートな単語を馬名とする近藤英子オーナーのネーミングは意外と好きだ。数多い大統領からリンカーンが選ばれたからには何か理由があるのだろうか。

さて、競走馬のリンカーンで有名なセリフといえば、ディープインパクトの圧倒的な強さの前に敗れた天皇賞(春)で横山典騎手が言ったとされる「生まれた時代が悪かった・・」であろう。自身も4コーナー2番手の積極策で上がり33秒7、3着に5馬身差を付けているのだ。十分にそれは、善戦ホースがついにG1の戴冠という場面なのである、ディープさえいなければ。

武豊が自然体でビッグレースを勝ちまくる一方、G1で2着が多く、その技術を誰もが認めつつどこか突き抜けられないヨコテン。自身の境遇を時代のせいになんてしない硬派騎手だからこそ、そのセリフに深い味わいを感じてしまうのである。

皮肉なのは、ディープ以降の武豊がやや精彩を欠いているのに対し、横山典弘騎手は却って輝きを増していることだろうか。酸いも甘いも知り尽くして力の抜けた感のある騎乗で、昨年はついにダービージョッキーの称号を手中にしたのだった。。

結局のところ頂には手が届かなかったリンカーン、ひとつ強調されてもよいのはその成長曲線だろうか。多くの活躍馬を輩出する名牝系だが、*フサイチコンコルドもヴィクトリーもボーンキングもアンブロワーズもアンライバルドも、重賞は全て3歳の春まで。「早熟の天才タイプ」が多いこの一族で3歳秋どころか6歳まで重賞を勝っているリンカーンはいわば変り種なのである。

ヨーロッパ血統の母系にサンデー×トニービンというある意味ハズレのない組み合わせ。4番バッターほどの華はないかもしれないが、この重厚感と安定感はサッカーならCB、野球なら5番バッターというところだろう。

People's Horseと呼ばれるような、ファンの人気を集める後継を待ちたい。

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