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難攻不落

’10新種牡馬プチ外伝 *ロックオブジブラルタル

”ワンダーボーイ”と呼ばれたイングランド代表のマイケル・オーウェン。競馬大好きでも知られる彼が、馬券や馬主では飽き足らず厩舎まで開設してしまったというニュースは2007年だった。その後共同所有者としてAndrew Blackを、調教師としてTom Dascombeをチームに加え、現在は90馬房にまでその規模を拡大している。

そしてまた、オーウェンが現在所属するマンUのアレックス・ファーガソン監督も競馬がらみのネタで知られるところだ。*ロックオブジブラルタルを共同所有していたファーガソンが種牡馬としての権利も主張したのに対し、クールモアのジョン・マグナーは引退後の共有権は譲渡していないとして裁判沙汰にまでなった。

ザ・ロックは3歳時、英2000ギニーからムーランドロンシャン賞までのG1の7連勝で知られる名マイラー。引退レースとなったBCマイルの出遅れて2着が惜しまれるところ。この年のマイル路線は強烈なライバル不在ではあったが、国と競馬場を跨いでのタフさと勝負強さは特筆されるべきものだろう。

現役引退後はアイルランドとオーストラリアのクールモア間でシャトル供用されていて、すでに結果も出している。Mount NelsonやEagle MountainといったG1ホースを輩出するほか、イギリス・アイルランド・フランス・イタリア・アメリカ・香港・オーストラリアと世界各国で重賞勝ちをマーク。それを考えると日本での種付け料420万円もそう法外ではないし、また1年しか供用できなかった人気というのも納得のいくところか。

さてメジャーから鳴り物入りでやってきた5番バッターは、本邦でどのような結果を残せるだろうか。すでに走っている*ファストロックや*セトノアンテウスなどを観る限り、A級に今ひとつ足りないつう*デインヒル@日本の典型のような気もするが、まあ芝でそこそこの活躍馬を出す下地は十分だろう。

輸入馬はNorthen Dancerを重ねた配合が眼に付くけれど、ちょいとくどい。Rivermanを持つ牝馬でRiverman≒Push a Button(所謂ナスキロのクロス)てのもベタかもしれないが、いずれにせよ日本仕様のスピードを引き出したいところだ。

もちろん馬名の由来はイベリア半島ジブラルタルにある巨岩=通称ザ・ロックで、不落ぶりを比喩するに”As safe as the Rock”という言い回しがされるくらいの軍事的要衝である。

まあG1を連勝していたときのザ・ロックはその通りの難攻不落を誇っていたのだが、ファーガソンとマグナーの争いが、イギリスとスペインの間で領有権争いが続くジブラルタルをパロッたやらせだったら面白いな・・なんてふと妄想を馳せる。んなわけないが。

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