刺身がアン肝を産んだ
今後おそらく日本競馬史上で達成は困難であろう、父系4代にわたる3200M天皇賞制覇。ホクトスルタンの名が出馬表にない時点で、少なくとも今年はその記録達成は幻となった。
最後に出走へと舵を切ったミッキーペトラ陣営に対して諸々意見も出ているようだが、プロヴィナージュ騒動のときにも書いたように、自分は「出走に漕ぎ着けるまでの争いも含めてのG1」という立場である。どういう経緯があれ、ホクトスルタンはそれに負けた、という事実を受け入れるだけ。
さてアメリカのケンタッキーダービー戦線でも、1頭の鹿毛馬の動向が一部で耳目を集めていた。Setsukoである。サンタアニタダービーで2着、賞金順で本番出走の当落線上にあった同馬だが、残念ながら出走枠には入れない情勢のようだ。
Setukoはおそらく日本人女性の名を援用した馬名。なぜ牡馬に?という疑問はヴェルトハイマーに訊かないとわからないところではある。
さて、最近の日本語馬名では名マイラーHaradasunあたりがまず浮かぶ。オセアニアは地理的な関係もあるのか日本語と思われる馬名がわりと散見され、Kinjite(禁じ手)だったりSuzuka(鈴鹿)→Nagoya(名古屋)の母子、そして名古屋から生まれた重賞馬Aichi(愛知)だったりというネタもあった。
先日もYoseiという馬がいて、これ日本語かなあと思っていたらBMSがフジキセキ。で母がFuji Fairyだから「妖精」ということなのだろう。
まあSushiだのTempuraだの、調べれば「なんちゃって日本語馬名」はたくさんあるが、最近笑ったのは母Sashimi(刺身)で仔がAnkimo(アン肝)だろうか。アン肝が競馬場を走るというのはまた、随分とシュールな。
デルマーオークスを勝ったSavannah Dancerから広がるこのファミリー、何故か日本にまつわる命名が多い。アン肝の兄弟にはアバヨ、ヤスダ、アキタがいるし、Sashimiの母はOshima(大島?)だ。さらに近親にもOnaga(尾長?)やtokyo Bay、Isle of Japanなどなど。
”目白浅間”の血を引く日本語馬名の日本産馬が、ヨーロッパの長距離重賞を走ったりしたら、それは楽しいだろうなあ。なんて妄想ももうできなくなるのだろうかな。
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