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過去/現在/未来

’10新種牡馬プチ外伝 タイムパラドックス

ジョン・タイター(JOHN TITOR)という人物の名を聞いたことがあるだろうか。タイターは2000年、突如アメリカの某ネット掲示板に現れて「自分は2036年からやってきたタイムトラベラーである」と自称し、所謂タイムマシンの構造や未来の世界に起こる出来事などを予言して議論を巻き起こした後、忽然と姿を消したという。

まあ自分たちの感覚で言えばネタ以外の何者でものないというところだが、ウエルズ以来多くのSF作品を産んできた時間移動という題材が、それだけ人々の好奇や興味を引くだけの求心力を持っていることの証左ではあろうか。

タイムトラベルで常に論じられるのが、遡った過去の世界で行った行動が未来を変えてしまう矛盾をどう解釈するのか・・タイムパラドックスの問題である。

さて、ダート界で一時代を築いたタイムパラドックスは非常に現実的な路線を歩んだ。晩成とダート中長距離路線ゆえに地味な印象は否めないものの、アグネスタキオンやクロフネ、ジャングルポケット、マンハッタンカフェといった錚々たるメンバーが名を連ねる黄金世代の中で、獲得賞金のトップは実はこの馬である。また3冠馬ナリタブライアンやマヤノトップガン、タニノギムレットらを抑えて、*ブライアンズタイム産駒の最多賞金獲得ホースもタイムパラドックスなのだ。

4億円以上の賞金を獲得し、8歳まで第一線で走り続け、種牡馬にまでなった。ある意味これ以上の馬主孝行はないだろう。ビッグレッドファームという後ろ盾も得て、多くの種付けの機会を得ている。どっしりとした存在感のキャッチャーというのが自分のイメージになる。

ところでタイムパラドックスの母系をタイムトラベルしてみると、近く(従弟)にサクラローレルや*グルームダンサーがいる。ボトムラインはもともとフランスの鬼才ブリーダーであるマルセル・ブサック氏に属しており、7代母からは牝馬ながら凱旋門賞で2着したEsmeralda、さらにそのEsmeraldaの仔にして凱旋門を勝ったCoronationが出ている。

Coronationは両親が共にTourbillon産駒。父Djebel≒母Esmeraldaの1×1とも表現できる。インブリードとアウトブリードをモザイクのように組み上げて多くの名馬を産んだブサック配合の、ある意味象徴とも言える「究極の近交馬」であった。

タイターが本物のタイムトラベラーだったら、未来の競馬の結果を訊いてみたいものだ。あ、そんなの教えたら未来や結果が変わっちゃうか。タイムパラドックスで。

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