苦みをかみ締める
「目玉不在」と言われたセレクトセールは大方の予想通り、随分と落ち着いた結果に終わったようだ。全体の回顧はまた機会があれば触れたいと思う。
さて日曜日は仕事でレースを観られなかったが、復習して目を引いたのはやはりナムラタイタンが3着に敗れたプロキオンSだった。
ここまで底を見せぬまま6連勝で駆け上がってきたナムラタイタンも、壁に一度は突き当たったというころ。とはいえ初重賞でこのタイムの3着だから決して悲観するような内容でもないだろう。
ナムラタイタンの血統にはほろ苦い味を思い出す。
1994年のオークス。距離が伸びて桜花賞馬オグリローマンは脆さを出すと読み、自分は本命をバンブーアトラス産駒のアグネスパレードに打っていた。相手は忘れな草賞を勝ったチョウカイキャロルとトライアル2着のメモリージャスパー。なぜか妙に自信があり、この馬連2点にかなりの額を投じたのである。
レースは思い通りに進んだ。オグリは伸び悩み、直線ではチョウカイとメモリーを外からアグネスが追いかける。思い通りだった、ほとんどは。
と、最後に飛んできたのがゴールデンジャック。*アフリート×Danzigなんてここじゃカモ、と真っ先に切った馬がゴール前でアグネスをハナ差だけ差し切っていた。あのときの脱力感は今でも忘れられない。
ナムラタイタンの祖母はゴールデンジャックの半姉で、母は*アフリート産駒。この馬名を目にすればあのオークスの苦さが口に広がる、というわけだ。
ところでレコードを叩き出したケイアイガーベラ。どこかで母*アンナステルツの血統に見覚えがあるような気がしていたのだが、調べてみたら種牡馬Boundaryの全妹だった。インブリードがいかにもしつこいスピード父系(Elusive Quality→Smarty Jones)に、同じく快速とパワーを引く母という組み合わせだから、「当たり」を引けば大きいという配合だろう。
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