お値打ち・続編
一口の話題の続き。実は募集価格と並ぶもうひとつの大きな要素が維持費用。毎月のことだから、当たり前だがこれがバカにできない金額に積みあがるわけである。自分の出資馬で言えば、募集価格を上回る賞金を獲得した愛馬は所有馬の3割強になるが、維持費を含めて完全に黒を計上したのはその半数くらいだろうか。
前回のエントリでは単純な募集価格に対する回収率をざっと算出してみたが、では維持費を含めて考えるとどうなるだろうか。
もちろんクラブや個々の馬の引退時期によって千差万別だが、ここでは模式化するため「2歳1月より費用が発生し4歳末に引退。1年間500万×3年間で計1500万円の維持費用がかかる」という設定で話を進める。
一律1500万円のコストが掛かるとして、前回エントリと同じ区分けで回収率を集計してみるとこうなる。
(募集価格/維持費を考慮しない回収率/維持費を考慮した回収率)
1億円以上 14.01% → 12.39%
8000万~ 39.66% → 18.16%
7000万~ 31.02% → 25.61%
6000万~ 78.29% → 62.74%
5000万~ 77.93% → 60.04%
4000万~ 76.13% → 56.03%
3000万~ 44.06% → 30.23%
2500万~ 55.45% → 34.17%
2000万~ 89.66% → 53.16%
1500万~ 97.14% → 50.97%
1000万~ 78.57% → 35.22%
~1000万 84.04% → 28.62%
ポイントは500万円の安馬だろうが1億円の評判馬だろうが、維持に必要な固定費は同じ額という点。小さな個人商店と大手スーパーとが同じ家賃を支払っているのと同じようなもので、相対的な負担は当然、前者の方が大きくなってくるという単純な理屈である。
低価格帯の馬の方が投資効率が良いという単純な図式にはならないし、また一方で同じ回収率なら損益の絶対値は高馬の方が大きい。あとはどういう姿勢で一口馬主を楽しむかという点に帰結するだろう。
出資馬選びは馬体派だろうが血統派だろうがボトムアップアプローチしていくものだから、こうした数字が直接役に立つことはなかろうが、まあ何かの参考までに。
なお対象は現4・5歳馬で、平成22年8月10日現在の獲得賞金額をベースにしているため、最終的な回収率ではない点を付記しておく。出資は自己責任でひとつよろしくw
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