カモが一体誰なのか
今はすっかり字面派競馬クラスタになってしまった自分も最初は馬券から入ったクチで、府中や中山や後楽園に毎週のように通った時期もあった。そもそも中学時代の賭けトランプは遊びの延長だとしても、放課後に雀荘に通うような高校生だったから、ずいぶんとギャンブルで痛い目にもあってはいたりする。
まあ雀卓で繰り広げられる生々しい駆け引きや、的中させたもん勝ちというWINSの鉄火場的な空気は、ある意味において、世間と人間の本質を自分に学ばせた。大学で学んだ心理学よりも、社会人になってからの様々な経験よりも直裁的に。
ところでギャンブル小説では「麻雀放浪記」の阿佐田哲也が有名で、久々に読み返そうかと思ったらどうも引越しの際に処分してしまったようだ。彼の言葉には含蓄に富むものが少なくないが、自分がわりと気に入っている阿佐田語録は
「博打は強い者を立てる遊びだ。強きを助け、弱きを挫くんだ」
「9勝6敗を狙え。8勝7敗では寂しい。10勝を狙うと無理がでる」
「負ける者の何倍も大きいものを失う覚悟がなければ、勝つことなんてできないのだ」
あたりか。またギャンブルに関する言葉で言うと
「情報信ずべし、然もまた信ずべからず」(菊池寛)
「テーブルを見渡してカモが一人も見当たらなかったら、カモが一体誰なのか答えは明らかである」(ポーカーの格言)
なんかも好きかな。
ちなみに自分自身がこれまでギャンブルから得た教訓を表現すれば
「引き際こそが最も大切」
「私に博打の才能はありません」
かな。
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