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新冠の毬栗

近所の旧家から道にせり出した栗の木がたくさんの実をつければ、もう季節は秋の只中だ。食用としてだけではなく、色づいたイガ栗を煮沸乾燥すればちょっとしたインテリアとなり、今年も我が家の食卓を飾っている。

競馬界で”クリ”と言えばもちろんユートピア牧場の栗林一族になろうが、栗林に縁のある名馬の引退が本日報じられた。ローレルゲレイロだ。

ローレルゲレイロの牝系を遡ると、1923年生まれの牝馬*セレタに行き着く。産駒のテツバンザイがオークスを勝ち、テツバンザイ(繁殖牝馬名は英月)の直仔にクリチカラやクリミノルといった重賞馬、孫世代に天皇賞馬のクリヒデとクリペロを出すなど、栗林家の栄華を生み出す源流になったのが*セレタだった。

ローレルゲレイロは5代母にそのクリヒデ。そこからマルゼンスキーの橋本牧場→最上牧場を経て、母のビッグテンビーが村田牧場にやってきたというのが牝系の流れになる。

このいわゆる在来牝系に対し、歴史的名馬*ダンシングブレーヴ×G1を7勝の名牝*グッバイヘイローというキングヘイローを配されたのがローレルゲレイロだった。キングヘイローはSeattle SlewやMill Reef(Riverman)、Caerleonなどとの相性がよさが指摘されるところで、ゲレイロも母ビッグテンビーがCaerleon≒マルゼンスキーを持つ成功パターンだった。

ローレルゲレイロの生産者の村田牧場は新冠の牧場であるが、*グッバイヘイローを輸入しキングヘイローのオーナーブリーダーであった協和牧場(浅川吉男氏:後に経営譲渡)もまた同じ新冠。引退したキングヘイローが供用されている優駿スタリオンステーションも新冠の生産者が母体だから、まさに新冠カラーの快速馬だったわけだ。

付記すれば、ゲレイロの高松宮記念とスプリンターズのいずれも鞍上は藤田伸二騎手だが、藤田騎手もまた新冠の出身。宮記念の祝勝会では、村田牧場の社長が『生産も新冠、種牡馬も新冠、騎手も新冠、ローレルクラブも新冠中心のクラブ』と地元密着の栄冠を喜んだという。

そしてゲレイロもまた、父と同じ優駿SSでのスタッドインと報じられている。

若駒時にはクラシックの王道を進みつつ、後年はスプリントで天賦の才を発揮してタイトル奪取。しかしながら浮き沈みが激しく勝利と大敗とを繰り返すその気まぐれぶり。良くも悪くも似ている父子は、これからも非社台の個性派として我々を翻弄し楽しませてくれるだろう。

私がダービーでキングヘイローに預けたままの貯金もいつか返してもらいたいものだが、きっとまた栗の尖ったイガに刺されたような痛い思いをさせられるのだろう、この父系には。

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